2019年9月19日に、国土交通省から、令和元年基準地価(都道府県地価調査)が発表されました。
全国の対前年平均変動率は住宅地-0.1%、商業地+1.7%、工業地+1.0%となり、全用途平均では+0.4%となり、2年連続でプラスになりました。
全体的に価格上昇傾向が強まっている結果となりました。
目次
―基準地価とは
―各都道府県の基準地価の状況
―伸び続ける東京の現状
―まとめ:来年は?
基準地価とは
基準地価とは、全国の都道府県知事が調査を実施、それらを国土交通省が取り取りまとめて毎年9月半ばに公表されます。
国が主体となって行う地価公示とともに、一般の土地取引の指標となるものです。
地価公示は、毎年1月1日時点の価格です。路線価(相続税の算定基準となります)も1月1日が価格時点で、この基準地価の価格時点は7月1日と、1年の中間が価格時点となっているため、地価の中間発表の様相があります。
全国21,540地点の地価を算定していて、また都道府県が主体であるため、地方部も地点が網羅されていることが特徴です。
地価公示と基準地価は似ていますが、一般的には基準地価の方が20%くらい安くなっていると言われています。
各都道府県の基準地価住宅地の状況
図1は住宅地の変動率ランキングを示しています。
全国平均では-0.1%、前年が-0.3%、前々年が-0.6%でしたから、だいぶ回復してきました。おそらく来年109月の発表分ではギリギリ、プラスに転じるかもしれません。
プラスになっている地域は15都府県、石川や大分など、地方大都市に含まれないエリアもプラスになりました。
最下位は秋田県の-2.0%でした。秋田県は4年前には-4.0%でしたので、だいぶ下落低下幅が小さくなって減少してきています。
伸び続ける東京の状況
東京都の上昇率は平均で2.5%となっており、幾分上昇幅が小さくなってきました。
少し広く見て、東京圏では、1.1%のプラスでした。6年連続の上昇で、上昇幅は3年連続の拡大となりました。
東京圏(※東京圏とは、首都圏整備法において「首都圏」と定義された、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県の1都7県を指します。)では、全体の6割を超える2,166地点で地価が上昇しました。
上昇率は全用途平均で2.2%と前年より0.4ポイント上昇、住宅地が1.1%上昇、商業地に至っては4.9%上昇と、商業地が全体を牽引しています。
ちなみに、他の大都市に目を向けると、
大阪圏は0.3%のプラス。2年連続の上昇で、上昇幅は昨年を上回りました。
名古屋圏は1.0%のプラス。7年連続の上昇で、上昇幅は3年連続の拡大となりました。
広範囲にエリアを捉えて大都市圏の中でも、東京圏の伸びは最も大きくなっています。
上昇地点を細かく見てみると、東京に限らず他の大都市においても各エリアの中心地だけでなく、上昇地点は周辺部にも広がっており、かつ周辺部の方が、上昇幅が大きくなっています。
また、中心部では、価格は上昇しているものの、上昇幅が減少している地点も少しあり、価格の天井感が近くなっているエリアもあることも分かります。
まとめ~来年は?
地価は投資用マンション(ワンルームマンション)の購入価格だけではなく、所有時の税金、または売却時にも大きく関わってきます。
地価動向をしっかり見ていく必要がありそうです。次の注目の地価は、来年3月20日ごろに発表される地価公示です。おそらく、来年の地価公示もまた、上昇の可能性が極めて高いと思います。