本シリーズで何度か書いてきましたが、これまで株式や債券といった伝統的な金融商品だけに投資を行ってきた方が、近年不動産も加えて投資をすることが増えてきました。
不動産投資には、実際の不動産を購入する現物(実物)不動産投資と、J-REITなどの不動産ファンド、あるいは不動産ファンドを組み合わせたETFといった組成された金融商品があります。ともにリターンの源になるのは、賃料(あるいはそれに類するもの)と売却時の売却益というという点では同じです。
実物不動産の投資対象となる不動産には 、レジデンス(アパート、ワンルームマンションなど)、オフィスビル、コマーシャルビル(商業施設=商業ビル、店舗、旅館、ホテル・・)などがあります。一般的に、オフィスビル、コマーシャルの領域は価格上下、賃料上下が激しく(ボラタリティが大きい)、また投資金額も大きいので、ほとんど投資顧問会社などと連携したプロが投資を行います。ほとんどすべての一般の方が行う実物不動産投資の対象はレジデンスでしょう。
その中でも、初心者の方は、投資金額が低く、また空室リスクの低いワンルームマンション投資から始めることが多いようです。
ワンルームマンションが、なぜ初心者向きかというと、
1)1部屋単位での購入のため総投資額が少なくて済む
2)ワンルームマンションは管理が楽。(PMフィーを支払うことで、賃貸管理の代行をしてもらえる)
3)需要が安定している→大都市部における単身世帯の増加
そんな、比較的上手くいき易いと言われるワンルームマンション投資ですが、たまに「失敗した」「損した」という声も聞かれます。
なぜでしょうか?
ワンルームマンション投資の3つのリスク
ワンルームマンションでのリスクは主に3点です。
①空室リスク
②賃料下落リスク
③売却時の損失リスク
の3つです。
まず、「リスク」ですが、これは「損」とは異なります。リスクとは、「想定が外れた」という認識が近いと思います。
空室リスクと家賃下落リスクについては、もちろん、公的な機関が発表している人口動態分析などを見れば単独世帯の今後の予測は公表されていますので、しっかり見定めて物件購入をすればいいと思います。
また、そもそもエリア(アドレス)、駅からの距離、などといった要因に応じて、将来のリスクの程度が予測できますので、購入前の収支シミュレーションの中に織り込んでおけば、後から「想定外だった!」ということもないと思います。
また、初心者向きの理由の1つに「管理が楽」と書きました。しかし初めての方は、どんな管理会社がいいのか?を検討するのは難しいと思います。そのため、初めてワンルームマンションを購入する方は、マンションを開発・販売しているデベロッパーが信頼できるかを見定めて、その会社(あるいはグループ会社、系列会社)が管理を行っている物件を選べばいいと思います。
ワンルームマンションを初めて購入される方は、ぜひ参考にしてください。