J-REIT投資、ワンルームマンション投資、ともに不動産投資になりますが、その性格は大きく異なります。今回は、違いを検討して、それぞれのメリット・デメリットを考えましょう。
J-REITは、東証に上場している不動産ファンドです。
第1号のJ-REIT上場銘柄は2銘柄(日本ビルファンド投資法人、 及びジャパンリアルエステイト投資法人)で、2001年9月10日、今から17年前の事でした。その後、上場銘柄は増え続け、2018年3月現在60銘柄、時価総額は約12兆円となっています。東証に上場している金融商品ですので、証券会社を通じて、市場が開いている時間であればいつでも購入することができます。
J-REIT全銘柄の平均分配金利回りは、4.16%(2018年4月2日)となっています。最も高いものは6.15%で最も低い銘柄では3.30%です。分配金は、概ね年2回でFIXされていますが、1口価格(株価に該当するもの)は毎日上下しますので、利回りも変動します。
ワンルームマンション投資は、実物の不動産投資ですので、賃料収入を得る、もしくは売却益を狙うということになります。J-REITは不動産ファンドですので、複数の不動産が束になって組み込まれており(ポートフォリオ)いますが、ワンルームマンションと同様に、分配金の原資は、それぞれから得られる賃料収入と、また組み込まれている不動産が入れ替わるときに(売却するとき)の売却益です。
分散効果
ワンルームマンションを1つだけ持っているとすると、空室が長く続くとその期間の賃料収入はゼロです。しかし、J-REITでは、多くの不動産が組みこまれていますので、多少空室があっても、配当金は出ます。これを分散効果があると言います。もちろん、ワンルームマンションを複数持っていても、同様に分散効果が期待できます。
利回り
都心のワンルームマンションの利回りは、最近かなり低くなっています。超一等地のワンルームマンションでは、4%を切る新築物件も珍しくなくなりました。中古マンションでも、都心一等地では4%台半ばとなっています。
一方、J-REITでは、銘柄それぞれでかなりの違いがあります。リスクの高い地方物件を多く組み込んでいる銘柄などでは利回りが高く、都心一等地の大型ビルが多く組み込まれている銘柄の利回りは低くなっています。
レバレッジが効くかどうかが最大の違い
ワンルームマンション投資とJ-REIT投資の大きな違いは、レバレッジが効くか、つまり借り入れをして投資ができるか、という点だと思います。一般的には株式などの金融商品は借り入れを行って、購入することはできません。
一方、ワンルームマンション等実物不動産の投資では、金融機関からの借り入れを行うことができます。
頭金がほとんどかからない物件もありますので、自分の信用と物件の担保価値のみで銀行から融資を受け購入すれば、元手をかけず収益を得ることができます。
不動産投資のリスクは変わらない
これまで見てきたように、ワンルームマンション投資、J-REITとも、賃料収入と売却益が収益の源です。そしてリスクも分散投資ができれば似ています。
このように考えると、J-REIT投資にはない最大のメリットは、借り入れを行って家賃収入を得ることができることだと思いますので、とくにサラリーマンの方など、信用力の高い方には、実物不動産投資、その中でも比較的金額の低いワンルームマンション投資が向いているのではないでしょうか。