よく不動産投資はローリスクといわれますが、そうはいっても投資である以上、リターンが見込めなければなりません。
着実に利益を稼ぎ出すためには、まず安定した家賃収入があることが大きなポイントです。
ここでは、不動産投資の成功のカギとなる「借り手(借主)」の動向を、最新の人口統計を見ながらイメージしていきましょう。
不動産投資はまずインカムゲイン
不動産投資の利益には、売却による「譲渡益(キャピタルゲイン)」と賃貸による「収益(インカムゲイン)」があります。
少ない時間でより多くの利益をあげるためにはキャピタルゲインを狙う方が手っ取り早いのかもしれません。
ただし、不動産は長期的に見れば「売り場」の時期が短く、トレンドの変化や急な経済の動きもあるため、前もって○年後に売却し利益を上げるなどと狙ってできるものではありません
そのため、まずは確実なインカムゲインを確保しておくことが望ましいのです。
借り手の動きに注目する
では、インカムゲインを確保するためにはどうしたら良いのでしょう。
まず、優先したいことは、物件をどこで持つかということです。立地ですね。
人が集まるところには住宅需要が芽生え、ひいてはそれが借り手や賃料の安定性に繋がっていきます。
そしてさらに重要なことは、絶対的な人口ではなく相対的に人口がどのように変化しているのかという動きです。
言い換えれば「これまでどうだっか」や「今どうなのか」ではなく「これからどうなりそうなのか」ということになります。
転入・転出者数で変化を見る
地域ごとの人口変動を知るために役立つ情報に「転入・転出者数」があります。
総務省統計局が発表する住民基本台帳人口移動報告では、一定期間内に各自治体に何人が転入したのか、何人が転出したのかを調査した数字を確認することができます。
この数字を見れば人口変化は一目瞭然で、転入超過であればそのエリアは人口増、転出超過であれば人口減ということになります。
2017年の報告によると、3大都市圏を比較した場合、東京圏は11万人以上の転入超過となり、22年連続転入超過になったのに対し、名古屋圏と大阪圏ではわずかながら転出超過となり、
これで転出超過は5年連続となりました。
しかしながら、それぞれの中心地である名古屋市や大阪市は転入超過となっており、都心集積の動きが見られます。
日本全体的に人口が減少している昨今、大きく見れば東京圏一極集中、細かく見れば各主要都市集中といえるでしょう。
不動産投資先にしたい場所は
全体的に転出超過が目立つなかで、安定的に人口を増やしているという観点から考えると、不動産投資先として最も魅力が高いのはやはり「東京」といえそうです。
人口統計では東京一極集中の傾向が顕著で、特に再開発エリアでは転入者が爆発的に増加しており、学校などの公共施設が不足するほど急激な人口増加も見られています。
このようなエリアではマンションなどの住宅不動産の投資先としても非常に魅力的です。
また、東京圏といわれる周りの県を含めたエリアでも全体として転入超過ということは、その中心部はより一層魅力的で、かつ需要が絶えにくいといえるのではないでしょうか。
人口の動きは不動産投資に欠かせない情報です。
ただし単年の増減だけでは、一時的な変動である可能性もあるため、複数年の増減とその中長期的な動きを見ていくことで、一時的なブームではなく、大きな流れとして捉えることができるといえます。
人口が増える時代から減る時代に変わるなかで、様々な変化が様々なところで起こっています。
不動産投資においても「これまでどうだったか」から、「これからはどういうものを持っておくべきか」に着目していく必要がありそうです。