リクルート住まいカンパニーが、関東圏に居住している20歳から49歳を対象に「住みたい街」を調査し、「みんなが選んだ住みたい街ランキング(関東版)」を毎年発表しています。
ここでは、2017年の住みたい街ランキングの結果を見ながら、不動産投資の整理をしていきましょう。
①住みたい街ランキング2017の結果
住みたい街(駅)ランキングは以下の通りです。
1位:吉祥寺(JR中央線)
2位:恵比寿(JR山手線)
3位:横浜(JR京浜東北線)
4位:目黒(JR山手線)
5位:品川(JR山手線)
6位:武蔵小杉(東急東横線)
7位:池袋(JR山手線)
8位:中目黒(東急東横線)
9位:東京(JR山手線)
10位:渋谷(JR山手線)
上記のランキングを見ると、もともと大きな駅を擁し、さらに近年開発が行われていたり、新たな話題になっていたりする街がランクインされています。
上位に入る街のポイント
ランキングを見ていくと、東京都心の主要駅エリアが半数以上を占めています。
魅力的な観光スポットや商業施設が充実し、また複数の鉄道路線を抱えていることで、ビジネスマンや大学生など多くのニーズを取り込んでいると考えられます。
たとえば品川は、2016年13位から2017年5位と大きく順位を上げました。
近年、国際化に伴った羽田空港へのアクセスの向上、品川・田町間における山手線新駅への期待、2027年に開業予定のリニア中央新幹線など話題も多く、それに準じた再開発により企業や商業施設も増えています。
利便性を求める住宅取得世代や投資家にとって人気を集めていると考えられます。
また、品川だけでなくトップ10にはJR山手線沿いの街が6つもランクインしています。
このことからも、改めて山手線が東京の主要路線であることを物語っているといえます。
11位~20位をみて分かる共通点
住みたい街ランキング11位から20位までには、立川や北千住、大宮や浦和などといった規模の大きな駅や、近年、再開発などにより商業施設の充実している街がランクインしています。
このように、鉄道路線の本数や、新路線の開通などの変化によっても、住みたい街として人気が出る要因になっています。
また、1時間当たりの運行本数が多く移動しやすいことや、夜遅くまで電車があることを条件に住む街を選ぶ人が多いためでもあります。
このように街として鉄道の利便性が優れていること、それによって注目される施設や店舗が新設されることが、上位にランクインされる主要な要因になっているといえるでしょう。
行政市区ランキングで上位に来る街の特徴
合わせて行政市区ランキングに注目してみましょう。
『住みたい行政市区ランキング』では、2年連続で東京都港区が1位になっています。
東京都心は一見住みにくい街と思われがちですが、実際は子育て支援や医療費助成などの制度が充実しているのです。
千代田区も23区内で唯一高校生まで医療費が助成されるなど、元々利便性やステータスの高い地域がさらに住みやすさを増し、人気を集めています。
今年は、去年2位に下がっていた吉祥寺が1位に返り咲くという場面もありました。
これは吉祥寺が舞台の漫画がドラマ化され、メディアでの露出が増えたことで、若い世代のライフスタイルに影響を及ぼしたことが一因と考えられます。
過去にもドラマの舞台がきっかけとなり、人気を集めた地域は多くあります。近年では横浜エリアもその一つです。また、昨年ではニュースでも再開発の話題が多く取り上げられ、注目されることもあります。
その一つに渋谷があげられます。このように、テレビや雑誌などのメディアを通じ多くの人に注目されることで、ランクインやランクアップに繋がることもあるといえるでしょう。
ただし、それが一時的なブームなのか、今後も続く人気なのかを見分ける必要はありそうです。
やはり人気の高い街は、東京の主要駅だといえそうです。
現実的な交通の利便性と合わせ、あこがれやステータスといった満足感も、大きな要素です。
今後の物件選びには、スポットとして新たな開発やメディア露出などによる街の注目度がどうなのか、どんな世代がどの街に住みどんなライフスタイルを思い描くかなど、合わせて読み解くことが重要です。
「入居者が家賃を払って住みたいと思える物件に投資すること」、あらためてそれが不動産投資の原点であるといえるでしょう。