物件を探しているときに、「住宅性能評価付き」という言葉を目にしたことがありませんでしょうか。
「住宅性能評価」というのは住宅品質確保法に基づいてその住宅の性能が国土交通省に登録された第三者機関によって評価されていることを証明しているものですが、実際にどのようなものなのかご存知ない方も多いと思います。
ここでは、物件を選びのポイントにもなりえる「住宅性能評価」についてご紹介していきます。
「住宅性能評価」とは
「住宅性能評価」とは、国土交通省に登録された登録住宅性能評価機関に任意で申請することによって、対象となる住宅の性能を第三者として評価をしてもらうことをいいます。
この制度(住宅性能表示制度という)は2000年に施行された住宅品質確保法にともない、住宅にかかる紛争・トラブルの処理体制の整備や、住宅品質の確保の促進などを目的に設置されました。
評価する機関は、その物件の売買において利害関係のない第三者機関です。そのため平等かつ公平に評価されたものとして見ることができます。
住宅性能評価には、設計段階の評価である「設計住宅性能評価」と完成後の現場検査による評価である「建設住宅性能評価」の二種類があります。
評価を取得した住宅にはそれぞれ、住宅品質確保法が定める「住宅性能評価書マーク」を表示することができ、評価を受けた住宅であると一目で分かるようになっています。
住宅性能評価の取得物件は少ない
住宅性能評価は2000年からスタートし、すでに17年経ちますが、その取得率は決して高くありません。
既存住宅(中古住宅:中古住宅の建設住宅評価制度は2002年スタート)については、初年度(2002年)の建設住宅性能評価書の交付数が合計(一戸建てと共同住宅の合計)で3件と少なく、2006年には649件交付されたものの、
2016年(平成28年度)は376件とまだ多いとは言えません。
この評価を取得するためにはそれなりにコストがかかることなども、中古物件の取得率が低い理由なのかもしれません。
新築住宅においては、制度がスタートした2000年の設計性能評価書の交付数が11,247件でした。その年の新設住宅着工戸数が1,213,157件であったことから、割合にするとわずか0.9%、1%にも満たないのです。
その後徐々に伸びてはいますが、2016年(平成28年度)現在でも、取得率は23.3%と全体の3割にも至っていないのです。
データ元(国土交通省)
物件選びの際のポイントになる
取得率が低いということは、住宅性能評価を取得することでその物件とほかの物件との差別化にもなります。
これは、いくつかの物件で購入を迷っているときや、将来売却するときなどに決め手の一つになることも考えられます。
・ 住宅性能が客観的に評価される
第三者機関が公正に評価しますので、客観的な評価を得ることができます。
設計図や建物を見ただけでは判断しにくい建築物の性能の良し悪しを、不動産に詳しくない方でも安心して判断することができます。
・ トラブル処理も対応
売買に万が一トラブルが発生した場合、建設住宅性能評価書が交付された物件に関しては紛争処理機関にトラブル処理を委託することが可能です。
・ 地震保険の優遇
住宅性能評価を取得していると、地震保険料の割引を受けることができます。
割引には「免震建築物割引」「耐震等級割引」の2種類があり、最大50パーセントの保険料割引を受けることができます。
もし、中古物件を購入するとしたら、物件の性能評価証明が付与されたものとそうでないものとどちらがよいでしょうか?
新築物件を購入する際に「住宅性能評価付き」であれば、将来それを売却するときに次の買い手にとっても一つの決め手になるかもしれません。
また、あえてコストを掛けて住宅性能評価を取得しているということ自体からも、販売する不動産会社の信用力をうかがえます。
不動産を住まいだけでなく、投資で検討されている方もぜひ参考にしてみてください。