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東京はこれから変わる! 再開発される街③「田町駅周辺」

東京はこれから変わる! 再開発される街③「田町駅周辺」

現在、東京都内の各地で大規模な再開発が行われていますが、そのなかでも「新駅誕生」で注目されているのが田町駅エリアです。
東京の主要路線であるJR山手線の田町~品川間では新駅が約40年ぶりに誕生する予定で、新たな街が生まれると期待が高まっています。

ここでは、これから大いに発展することが期待される田町駅エリアについてご紹介していきます。

田町・品川駅間に新駅誕生

2014年、JR東日本は山手線に30番目となる新駅構想を正式発表しました。
この発表にともない、東京ガス・三井不動産・三菱地所などが大規模な駅前再開発を進めています。

新駅が誕生するのはJR山手線の田町駅と品川駅の間で、田町駅から約1.3km、品川駅から約0.9㎞の場所です。
新駅の駅前となる車両基地として使用されてきた13haという広大な土地には、オフィスや住宅だけでなく、宿泊機能や大型会議を開ける施設を設置する予定です。
国際会議や国際的な展示会を開けるようにすることで、よりグローバルで有力な世界都市への進化を目指しています。最終的には高層ビル7棟の建設が計画されています。

ちなみに13haという面積は、近隣の複合施設である恵比寿ガーデンプレイス(8.3ha)の1.5倍にもおよびます。

再開発の目的と内容

現在、田町駅周辺と新駅周辺の再開発では、オフィスと商業複合ビルを5棟、マンションを3棟建設しています。

例えば、田町駅東口では「msb Tamachi(ムスブ田町)」の開発が進められており、このプロジェクトでは、31階建てと36階建てのオフィスビルと9階建てのホテルの3つのビルが建設されることになっています。
また同時に、田町駅付近では利用者に優しい街づくりが進められています。

駅の改札からはバリアフリーの歩行者デッキを設置することによって、駅近辺で再開発された「みなとパーク芝浦」や「愛育病院」などが一つのエリアとしてつながります。
同様に、新駅でも再開発エリアがデッキで一つにつなげられる予定です。

さらにこれらのエリアでは、地球にも配慮した街づくりを目的とし、熱や電気を効率的に供給する「スマートエネルギーネットワーク」も整備される予定です。

再開発の効果と期待

再開発の効果と期待

この新駅の誕生は、品川駅を通る京急線や浜松町のモノレールにも大きな影響がありそうです。
新駅が完成し、世界中から企業や人が集まることで、品川や浜松町と羽田空港間の利用者の増加が大いに期待できるためです。

また、JR東日本では羽田空港への新たなアクセスの建設を計画しています。
2013年に休止となっていた東海道貨物線「大汐線」(田町駅付近から東京貨物ターミナル付近)を、山手線から羽田空港へのアクセスに活用するというものです。

これにより、羽田へのアクセスは次の3つに増えます。
①新宿から大崎、東京貨物ターミナルへつながる「東山手ルート」
②田町駅付近から大汐線と上野東京ラインを結び、東京貨物ターミナルへとつながる「西山手ルート」
③新木場からりんかい線を利用し、東京テレポートで東京貨物ターミナルとつながる「臨海ルート」

そして、この再開発にともない、東京都は品川・田町駅周辺の街づくりのガイドラインを改めました。
それによると、再開発地区で予想される労働者数は10万人にのぼるといわれています。
この新駅の開業はオリンピックと同じ年、2020年を予定しており、その後の羽田空港のさらなる国際化と相まってますます期待が膨らみます。

これら田町駅周辺エリアは、特定都市再生緊急整備地域や国際戦略総合特区に指定されています。
国際戦略総合特区は、国や自治体における規制が緩和されるだけでなく、財政の支援を受けることで、地区自体の国際競争力を高めることが目的とされたエリアです。
そのため、将来的な発展が見込まれる環境を整えることができます。

現在、東京都心ではさまざまな地点で再開発が進められていますが、この品川駅から東京駅方面にかけての「線」と「面」でつながる大規模な再開発は最も注目すべきかもしれません。
ぜひ不動産投資の選択肢として加えておきたいエリアです。

株式会社クレアスライフ 不動産コンサルタント

清水 剛

不動産投資の営業として16年従事し、これまで数百人に上る投資検討者への提案・アドバイスを行う。 現在は営業の第一線から卒業し、企画側として不動産投資の魅力を多くの人に伝えるべく、セミナー講師やメディア出演などに精力的に取り組んでいる。