現在、渋谷では2027年(平成39年)の完成を目指して、駅周辺の再開発が進められています。
すでに新宿、池袋と並び三大ビッグターミナルと称される渋谷駅の周辺が、さらなる再開発によって、より便利でより快適な街に変貌を遂げていくと期待されています。
ここでは、渋谷の再開発による今後の影響やその効果についてご紹介します。
渋谷を再開発する目的とは
渋谷駅周辺の再開発は、渋谷駅街区土地区画整理事業と呼ばれ、東急東横線の地下化などを行い、渋谷駅周辺の交通機関をより便利につないで交通機能の強化を図ることを目的としています。
また渋谷駅の機能を更新し、駅ビルの再開発と一体的に都市基盤と街区の再編を行うことにより、公共施設の整備改善と宅地利用増進を図り、もって公共の福祉の増進に資することももう一つの大きな目的です。
再開発の主な内容
渋谷の再開発は、エリアごとに内容を分けた都市再生プロジェクトとして計画されています。
・渋谷駅街区
現在、渋谷ヒカリエがある向かいの区画「渋谷駅街区」では、日本最大級の屋外展望台を配備したランドマークが誕生する予定です。
東棟・中央棟・西棟の3棟で構成され、合計延床面積が約276,000㎡にもなる都心屈指の大規模再開発です。
東棟は2019年度中に、中央棟・西棟は2027年の完成を予定しています。
・渋谷駅南街区
東急東横線と東京メトロ副都心線が相互直通運転することによって、利用されなくなったこれまでの東急東横線渋谷駅のホームと線路跡地に高層複合ビルが建てられています。
さまざまなクリエイティブコンテンツが生まれる発信地となるべく、高層部にはオフィス、中層部にはホテル、低層部にはイベントホールなどの商業施設が配置される予定です。
再開発はこのほかにも、シェアオフィスを中心としたクリエイターの活動拠点を設けるなど都心における居住スタイルを促進する渋谷宮下町計画、ハイグレードな商業施設やオフィス・観光支援施設を整備する道玄坂1丁目駅前地区など、商業・オフィス・居住機能の強化と増進が各地区で行われます。
再開発の影響・効果は?
再開発によって、さまざまな機能の増進が期待されている渋谷ですが、一方で現在ある若者の街「シブヤ」が失われてしまうのではないかという不安も囁かれています。
再開発によって渋谷を演出してきた飲食店が移転したり、渋谷を形成してきた人の流れが変わったりしてしまうことで街自体が変わってしまう恐れもあるのです。
このような懸念を受けて、この再開発では都市空間を上下に分け、高層部を大人向けの渋谷、中・低層部を若者向けの渋谷にするという構想が練られています。
再開発と不動産投資の関係
都内各地で2020年のオリンピック開催を契機に再開発が進められていますが、そのなかでも最も大きく変化するのは「渋谷」だと言われています。
街の進化は、不動産投資における物件購入の重要な要素です。
渋谷駅を最寄りにする物件はもちろん、渋谷駅を起点とする東急東横線や東急田園都市線に注目してみるのもよいかもしれません。
再開発による街の変化は、確かに人を引き寄せます。人の流れのあるところにトレンドがあり、不動産投資においては需要、つまりは借り手となる人々が集まります。
不動産投資を検討される方は、その物件の周辺で大きな再開発があるかどうかを調べてみるのも一つの判断基準になるでしょう。