国土交通省は、3月21日に地価公示価格を発表しました。この価格の動きは不動産投資において重要な情報の一つになります。
ここでは、最新の地価公示価格の動きと、不動産投資へのヒントについてご紹介します。
地価公示価格(公示地価)とは
土地は頻繁に取引が行われるものではなく、取引価格においても当事者同士で決めることができるため、政府機関がその基準として土地の適正な価格を公表しています。これが地価公示価格(公示地価)です。一般の人が土地を購入したり、不動産に投資したりする際の客観的な目安となっています。
ただし、注意が必要なのは、公示地価とは「その土地が更地である場合の評価」であるということです。その土地に建っている建物のクオリティや築年数などは考慮されていないということを知っておかなければなりません。
公示地価は、物件の現時点の価格を確認するための指標というより、土地の価格の動きを見て、今から開発された後に売りに出される物件の価格を予測し、今が買い時かを見分ける指標にすると良いでしょう。
地価公示価格は2年連続で上昇
今年の公示地価は、全用途における全国平均で前年比0.4%のプラスとなりました。
購入者にとって低金利でお金を借りやすいという環境が続き、また海外投資家による不動産投資が増えたことなどが理由と考えられます。
商業地の変動率は、+1.4%となり前年度の上昇率+0.9%からさらに上昇しました。景気の回復がうかがえることから、オフィス需要が増えていることが1つの要因であると考えられています。特に都心では訪日客が増加していることから、店舗の収益性が高まっていることも影響しています。さらに、東京でホテルが不足しているという背景もあり、ホテル用地の確保も相次いでいる状況です。
住宅地については前年から微増となり、9年ぶりに下げ止まりました。しかし、全国平均は下げ止まりしたものの、地方では値下がりが続いています。住宅地で上昇したのは全地点の34.0%で、横ばいが22.7%、43.3%が下落しています。
下落地点が大きな割合を占めているのに全国平均が上昇しているのは、都市部における地価上昇が平均を押し上げていることが原因と言えます。
特に3大都市圏(東京・名古屋・大阪)、地方4都市(札幌・仙台・広島・福岡)の上昇が見られます。まさに地方と大都市での二極化が進んでいるといえるでしょう。
今後不動産投資をするとしたら?
公示地価の動きから不動産投資を考えた場合、大都市に投資することが望ましいといえそうです。また、公示地価の上昇からも大都市での物件購入は時間とともにし難くなりそうです。つまり、しばらくの間は今後売り出される物件より、現時点の条件の方が良いといえるのかもしれません。
毎年発表される公示地価の動きは、不動産投資をするうえでとても大切な情報です。どこの土地がどのように変化しているかを把握し、今後のトレンドをイメージすることが失敗しない不動産投資につながります。
近年の公示地価を見ると、不動産価格は地方と都心での二極化の傾向が強くなっているのは確かです。そのため、やはり投資をするのなら都心が狙い目と言えるでしょう。