この記事のポイント
・自己資金と融資はどうするか
・将来性含め物件エリアを広い視野で捉える
・物件情報を「住む人の視点」で見ることも大事
【目次】
不動産投資で見るべきポイント①予算
ローンは融資額を相談
不動産投資で見るべきポイント②エリア情報
家賃相場
人口動態
再開発予定
災害リスク
学区、治安など
不動産投資で見るべきポイント③物件情報
利回り
築年数
駅からのアクセス
間取り、設備
管理費、修繕費
不動産投資の物件を探すとき注意するポイント
リスクを把握する
常に情報収集を行う
不動産会社とコミュニケーションを取る
すぐに購入できるよう準備する
現地へ足を運ぶ
まとめ
不動産投資は、物件の選定が成功のカギを握ります。自分の目的に合った最適な物件を探し出すには、リサーチ時に要点をはっきりさせておくことが重要です。
本記事では、不動産投資を始める際に特に見るべきポイントについて、先輩オーナーのリアルな声を交えながら詳しくご紹介します。
不動産投資で見るべきポイント①予算
不動産投資は予算によって選ぶべきエリア・設備条件などが変わってきます。
許容できる自己資金や毎月のキャッシュフローを明確にして予算に合った物件を選ぶことが重要です。
物件を探す前に自分の投資予算をあらかじめ決めておきましょう。
現金一括の場合は不動産投資に回せる資金の見込みを前もって確認しておけば、予算内で効率よく物件を探すことができます。
ローンは融資額を相談
ローンの利用予定がある場合は不動産会社などで自分がどれくらい借りられるか、毎月の返済額がどれくらいになるかなどを相談しておきましょう。
融資額によって購入できる物件が大きく変わってきます。
ローンの頭金などの初期費用は自己資金から支払うことになるため、いくらまで払えるのか把握しておきましょう。
先輩オーナーの声
ある程度ローンを使って資金調達してもいいけれど、余裕を持って資産を回すことが重要だと思います。
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不動産投資で見るべきポイント②エリア情報
予算が決まったら、気になる地域のおおまかな情報を調べます。具体的に物件情報を絞る前に各地域のおおまかな情報を把握し、購入したい物件エリアの候補を決めておくのも一つの手です。
エリア情報を探すとき注意すべきなのは以下の5つです。
家賃相場
エリアの家賃相場を調査することで地域ごとの地価や賃料帯の傾向を知ることができ、得られる家賃収入を把握する材料になります。
また、不動産会社が提示する利回りが適正かどうか判断する際も家賃相場の調査が役に立ちます。利回りについては後ほど詳しく解説しますが、会社によっては周辺の相場より高く家賃を設定し、想定利回りを高く見せている場合があるため、周辺の家賃相場と大きな乖離が生じていないか必ずチェックしておきましょう。
エリアの家賃相場を知るにはまず「SUUMO」などの大手不動産情報ポータルを利用するのがおすすめです。具体的に物件を選ぶ段階になったら、不動産会社に家賃相場を聞くとより正確な情報を得られます。
人口動態
現在の不動産投資は、家賃収入によるインカムゲインを前提とした長期的な戦略を主とする投資方法です。そのため10年先・20年先に物件周辺がどんな姿になっているか、エリア全体の賃貸ニーズがどう変化していくかなど、将来を予測しながら投資先を決めることが重要になります。
例えば現在高齢者が多いエリアは若者世代向けの施設が少なく、将来的に賃貸ニーズが下がる恐れがあります。もちろん高齢者が多いからと言って必ずしも不利になるわけではありませんが、人口減少に備えた対策を講じる予定があるか確かめる、などの方法で将来の動向をできるだけ正確に予測することが重要です。
再開発予定
再開発によって人やものが集まる街になれば、その周辺の物件の資産価値が上がり、家賃相場も高くなる可能性があります。現時点で人口減少が見られる地域はもちろん、今は人口が集中しているエリアにおいても再開発によって継続的に発展していく見込みのある都市か判別する材料になります。
将来的な賃貸ニーズを予測するために知っておくべき情報の一つだと言えるでしょう。
災害リスク
入居者は台風や地震などの災害リスクを踏まえて物件を探します。物件価格が安い地域は災害リスクが比較的高い場合もあるため、物件選びでは生じうるリスクに対する備えについても考慮する視点が必要です。
あえて災害リスクのある地域を選んで損害保険で備える、といった手もあるため、まずは地域ごとの災害リスクを正確に知っておきましょう。
災害リスクと不動産投資に関しては災害リスク視点で考える「マンション投資」おすすめ理由5選で解説していますので、こちらもご参照ください。
学区、治安など
治安が良いエリアは女性人気が高く、単身者向けの入居率が高くなる傾向です。反対に「物件価格が安い」と思って購入したら治安が悪く入居者がなかなか見つからない、というケースもあります。
また、子供連れは学校までのアクセスや学校の環境で住む場所を決めるケースも多くあります。ファミリー向け物件を探している場合、学校の位置や評判についても詳しく知っておいた方がよいでしょう。
先輩オーナーの声
あとはやっぱり女性目線を大切にすることですね。駅からの道で危険を感じないかとか、そういう心理的なポイントも大事かなと思っています。
「物件選びが全て。あとは借主を探す力がある不動産会社を選ぶべきだと思います」オーナーインタビューはこちらから
不動産投資で見るべきポイント③物件情報
おおまかなエリアを絞ったら、物件情報を見て自分に合った物件を探しましょう。基本的には入居者の視点に立ち、「(自分が賃貸を探している人なら)どういう物件を選びたいか」考えながら情報を見比べることが大切です。
物件情報を得るにあたって頼りになるのが不動産会社です。不動産投資では不動産会社経由で物件情報を紹介してもらうことが多く、それゆえ会社選びが非常に重要になります。
不動産会社によって得意とするエリア・物件の性質が異なるため、まずは自分に合った条件の会社を選びましょう。気になっている会社が複数ある場合は、それぞれの会社が取り扱っている物件の条件を詳しく比較します。具体的には以下の条件に照らし合わせましょう。
利回り
利回りは「投資の収益の割合」を指す単語で、不動産投資においては家賃収入の利益率を知るために重要な指標です。
表面利回り:年間家賃収入÷物件価格
表面利回りは維持費などの諸経費や購入時の費用などを除いて簡単に利回りを求めるための指標です。経費を含んで計算する「実質利回り」は表面利回りよりも低くなります。
実質利回り:(年間家賃収入-年間の諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)
先述したように、周辺エリアの家賃相場などと比較して募集家賃が高すぎる場合、入居者がなかなか決まらず空室になってしまうケースもあります。不動産会社の提示する利回りが相場より高すぎないか、自分で調べてみることをおすすめします。
築年数
築年数は修繕費が必要になる時期を把握するために欠かせない情報です。新築物件の場合は購入時に築年数のことを気にする必要はありませんが、中古物件の場合は築年数によってランニングコストや賃貸ニーズが大きく異なってくるため、必ずチェックしておきましょう。
特に日本では築年数が浅いほど人気になる傾向があります。築年数が経過している物件は入居者を増やすためにリノベーションやリフォームを検討しなければならない場合もあるため、注意が必要です。
先輩オーナーの声
中古の場合は10年、20年と築年数が経っているので、販売時の値段が適正かどうか判断しづらいところがあるじゃないですか。それが不安なので新築の方が好みです。
「不動産投資は生命保険として魅力的。目的を決めて物件を選ぶのが重要です」オーナーインタビューはこちらから
駅からのアクセス
単身世帯向けの物件は駅からのアクセスが良い物件の方が人気になることが多いです。
一般的な賃貸ニーズを考慮するのであれば、駅から徒歩圏内にある物件を選ぶのがよいでしょう。
弊社が過去に行ったアンケートでは、都内マンションに住む地方出身者のうち83.7%が「自宅から最寄りまで徒歩10分以内が許容範囲」と回答しています。
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間取り、設備
間取りや設備に関しては「これが正解」というものはなく、入居者のターゲット層に合った部屋作りができるかどうかが重要なカギとなります。
物件のエリアに合ったターゲット層を意識した部屋になっているかチェックしましょう。例えば単身者かつ女性がメインのターゲットの場合はワンルームかつ風呂トイレ別、スペースの広い洗面台などの設備が人気です。ターゲット層に適した間取り・設備を取り入れた部屋は入居者が入りやすくなります。を設置すると入居者が増加するかもしれません。
管理費、修繕費
アパートの場合は築年数が経過すると大規模な修繕が必要になるため、「一見利回りが高く見えたものの、購入後まもなく多額の修繕費が必要になった」というケースがたびたび見られます。中古物件の場合は修繕履歴を確認し、修繕が必要な個所を把握しておくことが重要です。
区分マンションの場合は管理会社に基本的な管理を任せることが多いため、管理費、修繕積立金といったランニングコストがいくらかかるのか知ったうえで収支が成り立つか判断しましょう。
4.不動産投資の物件を探すとき注意するポイント
不動産投資の物件選びは自分で物事を判断し、自分の目的に適した物件を納得して選ぶことが一番大切です。
良い物件を見つけたいときに注意すべきポイントをいくつかご紹介します。
リスクを把握する
不動産投資には「災害リスク」「空室リスク」などさまざまなリスクが伴います。リスクを避ける物件選び、という視点ももちろんありますが、リスクの全くない物件は存在しません。
起こりうるリスクやトラブルをあらかじめ把握し、有事にはいつでも対処できるよう対策を取っておくことが重要です。
常に情報収集を行う
不動産投資は情報の鮮度が大切。不動産に関する基礎的な知識はもちろん、市況や再開発のニュースなど、普段から最新の情報を手に入れるよう心がけることでチャンスを得られるかもしれません。
また、物件探しの際はポータルサイト、不動産会社、知人など複数の情報源を確保するのが望ましいでしょう。
先輩オーナーの声
「女性に不動産投資を始めてほしい。保険みたいな形で投資することも視野に入れて」オーナーインタビューはこちらから
不動産会社とコミュニケーションを取る
先述したように、不動産会社の紹介は物件購入において非常に重要な情報源です。不動産会社の多くはまず自社の顧客に優良物件を紹介するため、普段からコミュニケーションを取っておくことで良い物件に巡り合えるチャンスが増えます。
ただ連絡を取るというだけでなく、担当者に「求める物件の条件」をなるべく詳細に伝えておくことも大切です。具体的な条件を事前に伝えておけば、最適な物件が出てきたときに真っ先に紹介してもらえる可能性が高まります。
すぐに購入できるよう準備する
一般的に良いとされる物件ほど購入者がすぐに決まってしまうため、売りに出されていることが分かってから資金を準備しても間に合わないことがあります。
「買いたい」と思う物件が出たら迷わず購入に踏み切れるよう、資金なども含めて準備しておきましょう。
先輩オーナーの声
「不動産投資は資産を作るうえで主な選択肢になりうる。できるだけ早くやった方が良いと思います」オーナーインタビューはこちらから
現地へ足を運ぶ
購入したいと思える物件が見つかった場合、少々遠方でも必ず現地に足を運ぶようにしましょう。
書面やネットでは周辺地域や部屋の環境などで伝わりきらないところがあるため、自分で物件を見て納得したうえで購入することをおすすめします。
先輩オーナーの声
新築でも中古でも、物件の情報を自分の目で見て知っておくことが大切だと思います。
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5.まとめ
不動産投資は綿密に準備・調査を行い、「ここぞ」という時にすぐ購入に踏み切る力が重要だと言えるでしょう。誰かの言いなりになるのではなく、自分で見るべきポイントを絞って考えることが重要です。
不動産について基礎的な知識に自信がない方はまず不動産会社に相談し、情報収集を始めてみるのはいかがでしょうか。