目次
1)―「少額」ってどれくらいを指すのか?
2)―少額で不動産投資が出来る人の条件は?
3)―何よりも重要な銀行の物件評価
4)―自身の与信枠と銀行の物件評価額に注意してレバレッジ効果を最大限活用する
「少額」ってどれくらいを指すのか?
少額の不動産投資ってどれくらいの金額でしょうか。
投資者から集めた資金で不動産投資を行い、そこから得られる賃料収入や不動産の売買益を投資者に配当するREITも少額の不動産投資と言えます。
ただ、ここでの不動産投資とは、「実物不動産を所有して賃料収入を得るという不動産経営をすること」と定義します。
では、「少額の不動産投資」とは、「低価格の物件を購入すること」なのでしょうか。
不動産投資の醍醐味は、「少ない自己資金で、ローンを活用して大きな成果を得る」、つまり「レバレッジを効かせる」ことです。つまり、少額とは「少ない自己資金」のことを言います。
不動産投資とは、ハードルの高い投資と思われている方も多いと思いますが、実はローンをうまく活用すれば、少額な資金を元手に、比較的低リスクで始められる投資なのです。
少額で不動産投資が出来る人の条件は?
しかし、すべての方がこうしたレバレッジを効かせた不動産投資ができるわけではありません。ここで、「どれくらい借りられるか?」を2つのアプローチで考えてみます。
1つめは、借りる方個人の信用です。
銀行がお金を貸せる限度額というのは、人によってさまざまです。これを与信枠と言います。与信枠は銀行ごとに基準を設けており、一般的にはその人の年齢や年収、借入状況によって異なります。
(不動産投資の与信枠の目安一例)
年収 | 目安 |
1,000万円以上 | 12倍以内 |
500万円~1,000万円 | 8倍以内 |
400万円~500万円 | 6倍以内 |
年収から算出された金額から、既に別の借入がある方はその金額を差し引いたものが、与信枠となります。
この与信枠は不動産投資に限ったもので、一般の住宅ローンやカードローンなどとは異なります。
他のローンは収益を生まない消費性が高い支払いに対して貸し付けるため、その貸し付けの原資は収入であるのに対し、不動産投資は購入した不動産から得られる家賃収入も返済の原資に含めて考えるため、他のローンに比べ与信枠が大きくなっています。
何よりも重要な銀行の物件評価
2つめが、物件の担保評価です。
いくら物件の販売価格が本人の与信枠に収まっていても、物件に対する銀行の評価額が販売価格よりとても低ければ高くなければ意味がありません。
銀行の立場に立つと、入居者が付かなければ、返済が滞り、最悪の場合は返済が焦げ付いてしまうというリスクがあるので、物件の評価は非常にシビアに行っています。
物件の評価額は、銀行が物件に対して貸せる融資額なので、もし販売価格想定よりとても低いようだと、多くの自己資金が必要になります。
さらに問題なのは、銀行の物件評価額がかなり低いということは、融資のプロの目から見てその物件の評価が低いという証拠にもなってしまいます。
もちろん、全てがこの理論に当てはまるわけではないですが、不動産投資初心者の方にとっては、銀行の物件評価額がひとつの、大きな基準にはなると思います。
自身の与信枠と銀行の物件評価額に注意してレバレッジ効果を最大限活用しよう
まとめ
―不動産投資は、ローンを利用することによって少額な資金で始められる
―少額で始めるためのポイントは、自身の与信枠と金融機関の物件評価
―金融機関の物件評価は投資判断の重要なモノサシ
不動産投資の醍醐味は、ローンを活用することで自己資金を少額に抑えそれ以上の収益を上げることが出来ることです。しかし、それにはある程度の条件があります。「自分がどれだけ借りることが出来るかという与信枠」と「物件の評価額がいくらか」という点です。特に、銀行の物件評価額に関しては、銀行がその物件の資産価値をどのように評価しているかが分かる重要なモノサシと言えます。銀行から見て、資産価値が高いということは、安定した収益が見込める、つまり、安定した賃料と低い空室率が狙える物件と言えます。一定の目安となるので気にしておかれるといいと思います 。
不動産投資は借入を利用できる他にはない投資と言えます。ただ、その恩恵を受けるためには、何度もお伝えしている通り、自身の与信枠と物件評価が非常に重要となります。こういった点で、金融機関の評価が不動産投資成功するための、重要かつ前提となる基準と言えるのではないでしょうか。