あなたは、資産運用をしていますか?何もしないと大きなリスクがあります。その3大リスクをまとめてご説明します。
① インフレリスク
日本は政府方針でインフレに誘導する政策がとられています。あまり、物価が上がっている実感がなくとも、今後緩やかにインフレ(物価上昇)になったときに、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。そのうちのひとつが預貯金の価値の目減りと生活水準なのです。
預金の価値の目減り
インフレになった場合には、モノの価格が高騰します。その説明に毎日飲む水に例えてみましょう。コンビニで100円で買えるペットボトルの水が、インフレにより10年後には150円に値段が高騰したとしましょう。今は100円で買えるのに、10年後には100円持っていてもその水は買えなくなってしまいます。つまり、物価の上昇に伴って、手元のお金も増やしていかないと、インフレになった時に預金の価値は目減りしまうのです。
現在の預金の金利はおおむね普通預金は0.001%、定期預金でも0.01%です(※1)。
はたしてこの金利で来たるインフレに対応することはできるのでしょうか。
生活水準の低下
インフレが進むとこれまでの値段ではモノを買えなくなってしまうことはおわかりですね。モノの値段が高くなって、給与などの手取りも増えていけばいいのですがそうなるとは限りません。日本は過去に例のない出来事に直面しています。例えば、低金利、人口減少、高齢社会への加速など、私たちの生活の基盤にかかわる問題を抱えています。このような状況で何が起こるかというと、増税や社会保険料の負担増です。そうなると、インフレに日本の諸問題が上乗せされますから、私たちの手取りは増えないかもしれません。
そうなると、手元のお金の範囲で生活をやりくりしなければならなくなります。その結果、生活水準を下げざるを得なくなるのです。
この中で一個人としてすぐに対処できることは何でしょうか。
少しでも資産価値を増やすために低金利の預金から別の投資方法に変えることを考えることが急務なのです。
副業でもやれば何とかなると思っていても、年々歳を重ねていくことを考えると長くは続けられないでしょう。
②長生きリスク
日本人の寿命は年々伸びています。長く生きることは素晴らしい事ですがそのためのお金も準備しなければなりません。
老後資金が不足
定年は何歳にしたいと考えていますか?定年後の人生もまだまだ長いため、退職金と公的年金だけではとても足りないかもしれません。
60歳に定年を迎えて、その後30年間生きたと仮定するとどれくらいの老後資金が必要なのでしょうか。年間300万円(月額生活費を25万円とした)がかかるとすると、9000万円もの資金が必要になります。もしも、自身が病気になったり、介護状態になったらもっとお金が必要になるということです。
また、生涯独身で老人ホームなどの施設への入居を考えているのでしたらとてもこの金額では足りないでしょう。
国の社会保障への懸念
老後の収入の柱は年金です。心もとないとはいえ、年金抜きで老後の生活プランは語れません。年金で不足する生活費をどのように手当てするかが、老後のお金の問題です。
しかし、このまま少子化により年金保険料を負担する人数が減っていくと、今までのようにはいかないかもしれません。国の年金を破たんさせないためには、何か策を取る必要があります。例えばですが、年金の支給開始年齢を65歳よりもっと上げる、または、年金給付額を減らすなどの対策を取らざるを得なくなるかもしれません。
すでに平成28年12月14日、第192回臨時国会において、「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第114号)が成立しました(年金改革法)。今後もさらに改正が検討されるかもしれません。
介護保険法もしかりです。介護保険制度は、これまでに何度も大きな改正が行われています。
方向性としては介護予防に重点が置かれるようになり、家族や地域の力を借りて、なるべく介護保険からの給付が減るような方向を目指しています。平成27年4月より、新規に入所する者を原則要介護3~5の者に限定する改正を行いました。
それでも特別養護老人ホームの入居申込者が29.5万人 (※2)もいらっしゃるそうです。それに対して、特別養護老人ホームを含む老人福祉施設の定員は15.8万人(※3)です。このような国の施設に入居できれば安心ですが入居できないことも頭の隅に入れておくことが重要です。
③一点集中リスク
貯金だけに頼っているということは資産をひとつに集中させてしまっている状態にあります。この状態はお金を活かしていると言えるのでしょうか。
日本円だけでいいのか?
「卵は一つの籠に盛るな」という有名な投資の格言があります。卵を同じところに置いておくと、その籠を落としたら、全ての卵が割れてしまう=何かあったらすべてを失ってしまう、という意味なのです。これは、貯金だけに偏ってお金を管理している状況にも当てはまります。
資産を普通預金や定期預金だけに預けていて、日本に大災害が起きて円が暴落したり、金融不安が起きて銀行などが破たんしたりすれば大切な資産を減らしてしまうかもしれません。
これを回避するためには、いくつかの投資先にお金を分散する必要があります。例えば、円だけでなく外貨を検討したり、株式や債券なども投資先に加えたりすることもできるでしょう。また、金融商品だけでなく、金や不動産など実物資産への投資も有効な方法です。
いざ、インフレになった時に慌てても資産はそう簡単には増えてくれません。また、「投資は危険、資産運用しなければ安全」とは言って、何もしないという考えこそ恐いことなのです。30年、50年後に待つ自分自身が困らないように、行動に移してみてはどうでしょうか。
そして、低金利の今こそ、借りたお金で投資をできる不動産投資についても検討してみてはどうでしょうか。
※1 2017平成29年11月現在
※2「特別養護老人ホームの入所申込者の状況 」厚生労働省(プレスリリース平成29年3月27日)
※3「平成27年社会福祉施設等調査の概況」厚生労働省(平成28年9月15日公表)