投資とは、将来的に資本を増やすために現在の資本を投じる行為を指します。
投資には株式投資やFX、不動産投資などさまざまな種類がありますが、どの投資法を選んだとしても確実なものはなく、相応のリスクはつきものです。投資家にとって、その投資法がどんなリスクをはらんでいるのか、事前に知っておくことは、後々のリスク回避やリスク軽減につながります。
今回は、投資のなかでも不動産投資に関するリスクについて解説していきます。
本当のリスクは「知らないこと」
リスクとは、投資した後に想定外の事象が生じ、損失を被ってしまう可能性を指します。
人は一般的に、自分の知っている範囲でしか物事を考えることができません。
また、起こり得ることについてポジティブな予想をしてしまう場合も少なくないのです。
よく考えていたつもりでも予想外の問題が起こることもあるなかで、「リスクを知らなかった」なんていうことは致命的なのです。
リスク回避の基本は「先に知っておくこと」
冒頭のとおり、少しでもリスクを回避、軽減するためには、その投資にどういったリスクあるのかについて理解することが大切です。
それによって選ぶ物件や条件も異なってくるからです。不動産投資のリスクは細かくいえば多種多様ですが、大きく分けると以下の3つに分けられます。
- 空室リスク
不動産投資で最も恐れるべきことは、空室です。借り手が付かない、定着しないことです。空室が生じることで目的である家賃収入が減少し、資本の増加を目指す不動産投資家にとっては痛手になりかねません。また、将来売却の際に、借り手のいない(人気のない)物件は売り難くなることにもつながります。 - 想定外の出費というリスク
不動産投資では、ただ購入した価格と家賃の収入額だけで収益を見るわけではありません。 購入時の登記費用等はもとより、継続的にかかる物件の維持管理費や、固定資産税などの税金、賃貸の管理手数料、借り手の入替えの際の費用負担、設備機器等の修繕費用、ローンを利用する際の経費や金利などが出費として考えられます。 それらの出費やそれ取り巻くサービスを総合的に見ることによって、物件や不動産業者の選び方も随分と変わってくるのです。 - 出口が取れない(売れない)リスク
長期的な家賃収入が目的であっても、タイミングによっては売却することも考えられます。不動産所有において、一番みじめなのは、「貸すに貸せない、売るに売れない、自分で使う理由もない」という状態です。ただ出費だけが垂れ流しになってしまう状態です。ここぞと言うときに売れる物件かどうかは、リスク回避や軽減にも影響してくるのです。
共通点は購入時にあり
上記のリスクには、全て共通点があります。それは、その物件を「後々のこと」まで考えずに、その場の都合で購入してしまう点に問題があるのです。
- 自己都合の物件
購入した物件が、購入者自身の都合や好みで良いと判断したものだったことが考えられます。
例えば「目が届きやすい」や「代々の土地」という理由だけで需要の少ない土地に物件を購入、建築したり、「自分が住むわけでもない」のに、借り手ではなく、自分の好みの間取りや設備などを選んでしまったりするというケースです。
借り手のニーズやトレンド、そのエリアの需給バランス、将来性などを考慮していないため、借り手にとって魅力的な物件には見えず、借りてもらえない状況になってしまうのです。 - 目先しか見ていなかった物件
オーナーにとって不動産投資で重要なのは、収益を上げることです。
そのため、一般的に注目されがちなのが「利回り」です。
ただ、投資対象は現物の物件であり、実際に家賃を支払うのは人です。
利益やコストを追求するあまり、利便性の低い立地を選んだり、住み心地の良さや設備環境など快適性に目がいかなくなったり、購入した物件が、後々に逆に負担のかかるものだったというケースも多々あるのです。
投資のポイントは購入前にある
不動産投資は、実際に不動産を購入する前にポイントがあります。
リスクを避けるためには、「借り手のニーズに合っている」「出費面がしっかり可視化されている」「時代の流れに合っている」といったポイントを押さえておくことが重要になります。
さらに今後は、ますます人口の二極化や、インターネット時代が進むなか、「後々のこと」を想定して物件を選ぶ必要があります。
そのためにも、リスクをきちんと説明してもらえる不動産業者や、専門家に購入前に相談しておくことが望ましいでしょう。