東京カンテイ社が6月22日に発表した資料によると、2017年5月の首都圏中古マンション価格は、前月日+0.3%(70㎡の価格)となり、年明けから±0.5%の幅で推移しているようです。
首都圏のマンション価格は2012年秋ごろから上昇の気配が見られ、2013年に入ってからは、顕著にその傾向が見え始めました。それから約4年が経過して、昨年からは、「そろそろ、値下がりか?」とささやかれていますが、どうもその傾向はみられないようです。
また、都心6区においては、前月比+0.5%(70㎡の平均価格7,336万円)と引き続き高価格をキープしています。しかし、最も低かった2012年夏ごろに比べると、1.5倍近くになっており、これからの上昇余地は小さくなっていると思われます。
しかし、そうした環境下でも以前と変わらず一方ワンルームマンションの投資意欲は未だかなり旺盛で、以前と比べ利回りは低くなっているものの、他の投資商品で魅力的なものが見当たらない現状や、給与所得が中心のサラリーマンが将来の年金代わりとして賃料収入を見込んでいたり、株式で利益を得た投資家が資産分散のために購入したりするなど、投資意欲は収まる気配はありません。
こうした中で、中古ワンルームマンション価格も上昇しています。かつては、新築に比べて割安感があって、相応の利回りも期待できていましたが、価格上昇に伴い、都心一等地などでは築20年を超える物件でも5%弱まで下がっています。
もちろん新築ワンルームマンション価格も上昇していますが、長期的に考えると、都心といえども築年20年で5%を切る物件に比べると、新築の方がリスクが少ないと考える投資家も多いようです。こうして、今では中古ワンルームマンションと新築ワンルームマンションの人気の格差が縮まってきているようです。
不動産投資人気の一方で、マンションデベロッパーにとっては都心一等地のマンション用地の確保が難しくなってきています。また、ビルやホテル、マンションに適したまとまったマンション用地は多くの不動産会社が入札することで価格が高騰しているの現状のようです。
このような現状を考えると、新築ワンルームの価格は、物理的に、しばらくは下がる可能性は低いと思われます。
今が買い時か?を判断することは難しいですが、適切にご判断していただきたいと思います。