2011年の東日本大震災以降、建築費の高騰が続いています。
その要因として考えられるのが復興関連工事需要の増加と、政府による国土強靭化計画による公共工事の増加です。
これら工事需要の高まりにより建設業界の人件費が上昇したことが、建築費の上昇につながっています。
また2020年に控えた東京オリンピックに向けた競技会場の建設、道路改修など、依然建設業界に対する需要は大きく、しばらく建築費は下落しにくいと考えられます。
不動産投資の物件購入はできるだけ早いほうがいいかもしれません。
要因は「震災」と「オリンピック」
バブル崩壊以降、リーマンショックの発生などもあいまって、日本国内の建設需要は長らく低迷していました。
その結果建設業の就職者数も激減し、事業を縮小する建設業者が増えていました。
しかし、2011年を境にその状況が大きく変わりました。東日本大震災です。
震災の発生により復興関連工事の需要が突発的かつ大幅に増加しました。
またアベノミクスによる国土強靭化計画によって公共工事の数が増加し、東京オリンピック開催決定による競技会場の建設が急を要するなど、建設業界はそれら工事需要の対応に追われることになりました。
もともと縮小傾向にあった建設業界ですから、明らかな人員不足であり、人件費が一気に膨れ上がります。
人件費の増加は建設費にそのまま影響を与え、一般的な住宅やマンションの建設にかかる建設費も増加の一途を辿っているのです。
土地の価格も上昇
建設費の上昇に加え、土地の価格も上昇傾向にあります。
国土交通省が発表した2017年1月1日時点の東京都の商業地の公示地価は4.7%の上昇を見せ、中央区で9.8%、渋谷区8.7%、千代田区が7.1%上昇など、都内主要10区部では5%以上の上昇を見せています。
住宅地においても、全体で1.9%の上昇、区部では3%の増加です。
アベノミクスによる株価の高騰、都心のマンションなどへの高齢者の移住などがその地価上昇の要因であると考えられています。
また外国人観光客のいわゆる「爆買い」も、外国人観光客に人気の都心エリアへの企業の出店需要増加につながり、東京都の地価上昇に大きな影響を与えています。
もともと人口が増加傾向にあり、オフィスや住宅の空室率が低下していた東京都。外国人観光客の増加はホテル建設需要なども大きくし、今後もその土地価格に影響するものと考えられています。
(2017年東京都公示地価参考サイト)
復興関連工事はまだ完了したとはいえませんし、東京オリンピック開催に向けた競技会場の建設も現在進行中です。建設業界に対する需要は今後も伸び続け、建設費高止まりのめどはたっていません。
また外国人観光客数もこれからより増えていくものと考えられており、都内のホテル建設需要もしばらくの間は続くものと考えられます。今後も東京都の地価はしばらく上昇していく可能性はありそうです。
一方、オリンピック開催後に不動産価格が下がる見方をする方もいるかと思います。
ただし、それは必ずしもそうであるといえるわけではありません。
今後、年金対策などに投資を検討している方にしてみれば、むしろ2020年までの3年間という時間の方がもったいないともいえます。
不動産投資を視野に入れている方であれば、まさに今の時期に真剣に検討することをおすすめします。