マイナス金利政策が導入されて1年半が過ぎました。
2016年1月下旬に発表、2月半ばからの導入でしたので、あれから早19カ月。月日の経つのは早いものです。
マイナス金利政策についての是非論はあるものの、市況にブレーキがかかり始めたかと思われた2016年初の不動産市況が、そこから失速することなく勢いづいたことでは、政策が功を奏した、といえます。
同じ2016年2月頃には、住宅ローン金利、あるいは不動産投資時のローン金利に大きな影響がある長期国債(10年物国債)の金利もマイナスになります。
昨今の国債の最大の購入者は日銀で、日銀が大量にマイナス金利の国債を買うことで、それに影響を受ける不動産関連(住宅含む)ローンは一気に金利低下となりました。
図1を見れば、いま説明した内容が見て取れると思います。
2012年後半あるいは2013年初め頃以降から各種金利は下がる基調にありましたが、先ほど述べたように、2016年年初に大きく金利が下がります。
2016年晩秋には、長期国債(10年物)の金利はマイナス水準を脱し、2017年1月にはプラス0.1%程度にまで戻りました。
それに呼応するように貸出金利が上がってきて、このまま金利は上昇するのか?との憶測が流れましたが、それほど大きな金利上昇はなく、2017年2月あるいは3月頃には金利上昇は止まり、その後現在(2017年8月)まで大きな変化がない状態となっています。
図2は2015年以降の金利の推移です。2017年春ごろから、大きな変化は見られません。
ワンルームマンション購入の際には、販売会社の提携金融機関、販売会社から紹介される金融機関、あるいは経営者の方だと、自身が付き合いのある銀行から融資を受けて購入する方が多いと思います。
金利は、個々の状況により異なりますが、金利の上下の流れ(トレンド)は、どのような関係の金融機関からの融資でも同じです。
言うまでもありませんが、不動産投資においては、可能な限り低金利で融資を受けたいものですし、低金利の時期を見計らって投資を行いたいものです。そういう意味では、現在の環境はベストに近いと思います。
さて、この後の金利動向ですが、関係者などと会話していると、今年いっぱいは今のような金利水準だろう、しかし2018年はどうなるか予断を許さない、上がる可能性があると考えていた方がよい、という意見が多いようです。
不動産投資には大きな影響を与える金利ですが、これまで述べたようなことを基に、不動産投資を判断されるといいと思います。