アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は、2017年3月15日まで開いた金融政策を決める会合で、アメリカ経済は緩やかに拡大しているとして去年12月に続いて利上げに踏み切ることを決めました。(NHK ニュース WEB版3月16日より)
こうした動きに日本(日銀)が追随するか?が注目されています。今のところ、日銀は利上げするという発表はありません。しかし、マイナス金利は、通常の経済市況では行わない奇策です。そのため、景気動向を見定めながらマイナス金利からゼロ金利、そしてプラス金利への可能性を探っているようです。もし、金利上昇となれば、不動産購入にも影響があります。
投資用不動産の購入においては、ほとんどの方がローンを利用して購入します。投資用不動産を購入するということは合わせて不動産ローンを組むということになります。そう考えると、金利が上がることは、返済総額が増えるということになります。
専門家の見解を聞いていると、「その時期はまだ先だろう」というのが大方の見方のようですので、いましばらくは、現在のような低金利時代が続くものと思われます。しかしいつか来る 金利の上昇を考え、「低金利の今、できるだけ借りておこう」という購入検討者も今後増えていくでしょう。
自己資金がある方でも、「借りられるのだったら、借りられるだけ借りたい」という思いで購入される方が多くいます。しかし、投資用不動産の購入において、物件金額に対する貸出金額は、金融機関は2つの観点から判断して決めているようです。つまり、ローンを利用して買いたくても、買える限度があるということです。その2つについて説明します。
1つ目は、購入者の与信の状況、2つ目は金融機関が判断する物件の価値です。
与信とは、購入される方の年収や資産背景などから判断される信用力のことです。この与信については、購入者それぞれによって異なります。
2つ目の物件の価値(つまり担保評価)については、購入者ではなく物件自体の評価で決まります。
では、どんな物件の評価が高いのでしょうか?
立地、建物のグレード、開発(販売)するデベロッパーの信用、デベロッパーと金融機関の関係などで、評価が決まると言われています。ひとくくりに言えば、物件の信頼性ということになります。
立地については、都心の一等地などが最も高評価で、駅からの距離、その地域のブランドイメージ等で決まります。マンショングレードについては、建築するゼネコン、内装、仕様設備等によって決まると言われています。また、デベロッパーについては、デベロッパーの社会的な信用(上場など)だけでなく、販売実績、業歴などで決まります。
意外に知られていないようですが、この物件の評価は、物件を手放すときにも大きく影響します。中古物件として次に購入する方も、なるべく、持ち出しを少なくして購入したいと考えていますので、物件評価が高い物件の方が売れやすくなるということに繫がります。仮にローンを使わず、現金で購入する場合でも、事前に販売会社の方に、ローン評価について聞いておくと、将来売却する際の「売りやすさ」を知ることができます。
こうした視点も、不動産投資には、必要なことと言えるでしょう。