2012年に日本政府は、訪日外国人の数を「2020年に2,000万人、2030年に3,000万人にする」という目標を掲げ、さまざまな施策を行ってきました。
2013年には、オリンピックの開催地が東京に決まったこともあり、年々訪日外国人の数が増加し、2015年は1,973万人と1970年以来45年ぶりに出国する日本人の数を上回りました。
年々順調に訪日外国人が増えていることもあり、2016年には当初掲げていた2020年までに2,000万人という目標を倍の4,000万人に上方修正しました。
今後も東京オリンピック開催を追い風に、日本を訪れる外国人の増加が見込まれていますが、実はオリンピック効果以外にも「理由」があります。
そこで、今回はその要因と不動産投資への影響についてご紹介します。
【目次】
1.日本に外国人が増えている5つの理由
東京オリンピックの開催
ビザ要件の緩和
円安
日本への関心
格安航空(LCC)の就航
2.不動産投資と東京オリンピック
3.外国人の増加と不動産投資
在日外国人増加による影響
訪日外国人増加による影響
4.まとめ</p>
1.日本に外国人が増えている5つの理由
日本を訪れる外国人は、日本政府による施策などが奏功し、年々増加の一途をたどっています。
訪日外国人が増えている主な理由は次の5つになります。
東京オリンピックの開催
やはり、2020年の「東京オリンピック」の開催は、さらなる訪日外国人数の増加に寄与するものと期待されています。
2013年に東京での開催が決まって以降、訪日外国人数は東京を中心に増加の一途をたどっています。
実際に、2015年時点で1,973万人に達しており、政府は2016年3月に新たな目標数値として前回の目標数値の2倍となる4,000万人に変更しています。
また政府や企業が、オリンピックの開催を機にこれまで整っていなかったインバウンドインフラを改善し、訪日外国人の受け入れ体制を強化していることも訪日外国人の増加を後押ししています。
例えば、飲食店やホテルなどの多言語表記や、Wi-Fi環境の整備など訪日外国人向けサービスを強化していることが、日本での居心地の良さを生み出し、リピーターや新規訪日外国人の増加につなげていると考えられます。
ビザ要件の緩和
次に、戦略的なビザ要件の免除・緩和が挙げられます。
日本政府は、2012年から戦略的なビザ要件の免除・緩和を行い、中国や東南アジアなどの経済成長と相まって訪日外国人を増やしていきました。
2013年にマレーシアやタイからの渡航者に対してビザを免除する措置を開始し、2014年にはベトナムやインドネシア・フィリピンからの渡航者に向けてビザの緩和を行いました。
2015年以降には中国からの渡航者にもビザを緩和し、これをきっかけに現在も訪日中国人の数が増加の一途をたどっています。
円安
アベノミクス以降、円安が進行したことも挙げられます。
円の交換レートが安くなり、海外在住者は旅行費用を安く抑えることができるようになったのです。
最近は収束気味とのことですが、流行した「爆買い」にも円安が大きく影響しています。
日本への関心
日本に対する関心が広まったことも、訪日需要が一段と高まったと背景と言えるでしょう。
日本政府は、2003年から観光立国の実現を目標に掲げ、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」と呼ばれる訪日プロモーション活動を推進しています。
また、インターネットやSNSが世界中に急速に普及していることもあり、日本の漫画やアニメといったポップカルチャー、伝統文化を世界中の方に知ってもらえる機会が増えました。
これらの普及が日本への関心を高め、訪日需要につなげています。
格安航空(LCC)の就航
LCCの就航も訪日需要を後押ししています。
2012年、日本ではピーチ・アビエーションが関西国際空港を拠点として、初めてLCCを就航させ、その後も各社のLCCが全国の空港に拡大しています。
航空券が格安になることで、旅行へ行くこと自体のハードルも下がります。
2.不動産投資と東京オリンピック
オリンピック開催地が東京に決まって以降、特需のような状態で東京都心の不動産の価値が急上昇しています。
例えば、2018年3月に三井不動産が1,300億円を超える資金を投じて開発した東京ミッドタウン日比谷を開業するなど、オリンピック特需を背景に近年は大規模なオフィスビルの開発が活発化しています。
そのため、「特需ということは不動産価値の上昇は一時的で、終わったら価値が下がるのではないか」と考える方も少なくありません。
しかし、東京の都心には経済大国日本を支える大企業が多数存在し、そこに勤めるたくさんの会社員が都心または都心近郊に住んでおり、こうした人たちがオリンピック終了後の不動産需要を支えるため、たとえ一時的に下落したとしても、ある程度経てば適正なものに回復すると予想されています。
東京には人口や経済など都市の基盤となる強い力があるので、適切なポイントに投資をすれば、しっかりとリターンを得られる可能性が高いです。
3.外国人の増加と不動産投資
実は、オリンピックの影響以外に、外国人の増加も不動産投資には大きな影響があります。
それはどういうことなのか。
具体的に在日外国人と訪日外国人が増えることでの影響をご紹介していきます。
在日外国人増加による影響
在日外国人数の増加も、不動産の価値上昇を後押ししています。
2018年時点で250万人を超え、3年連続で過去最高を記録しています。
留学や就労などで一定の期間滞在した後、帰国する人も多いですが、中にはそのまま永住する人も増えています。
これらの短期滞在者、後期滞在者、永住者には、それぞれ住むところが必要であり、現状は賃貸住宅の需要が高まっている状態と言えます。
なお、増加率は大都市圏で顕著であり、特に東京都心にはさらなる増加が見込まれています。
訪日外国人増加による影響
訪日外国人の増加に伴い、外国人投資家による日本国内の不動産の購入も活況を呈しています。
具体的には、東京などの大都市圏や、北海道、京都、奈良と言った観光地において、増え続けている訪日外国人を視野に入れた外国人投資家による不動産購入が盛んになっています。
また、軽井沢などの別荘地やリゾート地もすでに外国人の投資対象となっています。
こういった動きが今後も続けば、日本に投資する外国の富裕層にとっても日本の不動産の需要は高いものとなっていき、それに伴い不動産価値も上昇していきます。
4.まとめ
東京オリンピックの影響もあり、日本の不動産価値は上昇を続けていますが、終了後も都心もしくは都心近郊に住む大企業の会社員などの旺盛な投資需要に下支えされ、価値が急落する可能性は低いでしょう。
また、訪日外国人や在日外国人の増加も投資の追い風となっており、今後も価値を押し上げていくものと期待されています。
今のうちに投資を始めれば、予想以上のリターンも得られるかもしれません。