働き盛りの世代の皆さんが生まれた年の平均寿命(厚生労働省調べ)は何歳だったかご存知でしょうか。
昭和60年生まれの男性は74.78歳、女性が80.48歳でした。昭和50年生まれでは、さらに短く男性が71.73歳、女性が76.89歳でした。
平成29年には、男性が81.09歳の初の81歳台に到達、女性は87.26歳で88歳台になるのは時間の問題でしょう。
医療の進歩や、車の性能向上などで死亡するリスクが減ってきていることも長生きの要因のひとつです。
じつは、平均寿命が延びて、さらに老後の生活資金は公的年金だけでは足りないということもあり、マンションによる不動産投資を検討する年齢層が下がってきています。
そして、ローンを提供する金融機関にも変化が現れ、若い年齢層にも検討してもらえるようにローン商品の幅を広げているのです。
若さという「有利な条件」
私たちは加齢とともに健康には何らかの影響がでてきます。
若いうちは健康であることに価値を感じられないかもしれませんが、この若さはお金を払っても手に入れることができない尊いものです。
年齢が若ければ亡くなる可能性も確率としては低いという考え方が一般的です。若い、そして、健康であることは、お金を借りるために、「大きな信用」となることもあるのです。
冒頭で、金融機関のローン商品に広がりを見せていると触れましたが、そのひとつとして金融機関ではローンを組む年数を45年にまで延ばすことができる商品も登場しています。
ローン年数は、一般的には35年というケースになるのですが、若さを担保に、10年も長くローンを組むことができます。
例えば、30歳で35年ローンを組んだ場合は、完済は65歳です。45年ローンを組んだ場合は、完済は75歳になりますが、毎月の返済額は45年ローンのほうが少なくなります。
また、20代でマンションオーナーになることも検討することもできるのです。
65歳に定年退職して、老後生活を過ごそうと考えるのでしたら、25歳であっても40年のローンを組めば、定年までの完済という目標は達成できます。
マンション経営では、実際にはローン返済は入居者による家賃収入で賄うことになります。オーナー自身の資金から支払う必要はありません。
【35年ローン・45年ローンの毎月返済額(元金返済+利息支払いの額)の比較】
◇条件
借入額3,000万円、金利1.8%、元利均等返済方式
・35年ローン 96,300円/月
・45年ローン 81,100円/月
差額は、15,200円/月
※経費や税金は考慮していない
ローン返済年数を35年と45年ローンでそれぞれの返済額を試算してみると、45年のほうが返済による負担が少なくなるのが見てわかります。
45年ローンでは、返済期間が長い分、毎月の返済額も減るため、返済ペースはなだらかにはなりますが、「団体信用生命保険」に加入しているため、万一、ローンの残高が残っている状態で亡くなってしまっても完済されます。
同じ家賃であれば、毎月15,200円が35年ローンよりも多く手元に残ります。
毎月のキャッシュフローが良ければ、事業としての評価も上がり、次の物件を手にすることも夢ではありません。
団体信用生命保険の商品内容も拡充
では、これからマンションオーナーとして長く生きていくことを考えてみましょう。そこで、気になるのが「健康」です。何事にもおいても身体は資本です。
マンションを購入するには、一般的には資金を金融機関から借り入れることになります。
その際に金融機関では、「団体信用生命保険」という生命保険を付帯します。保険料は、金融機関が負担してくれるケースがほとんどです。
この「団体信用生命保険」は、通称「団信」と呼ばれています。
団体信用生命保険は、ローン等に関連して付帯される生命保険のことで、保険契約者と保険金受取人は金融機関になります。被保険者はローンを組む本人(債務者)になり、保険金額はローンの残高となります。
本人が万一に死亡た場合、または高度障害状態になった場合、ローンの残高分が保険金として金融機関に支払われます。
この団体信用生命保険によってローンは完済されますので、残された家族はローンを返済していく必要はなく、家族はマンションを負債のない資産として引き継ぐことができます。
団体信用生命保険は、ローンを返済していく本人を被保険者とする保険ですので、本人は健康について告知をして審査を受けます。
したがって、健康上の理由で審査を通らないことも考えられます。
つまりは、若ければ健康である確率は高いため、団体信用生命保険の審査をとおることもより容易になります。年をとれば、何らかの健康上の理由で団信の審査がとおらないということもあるかもしれません。
団体信用生命保険を付帯しなければ、融資を受けることができなくなりますので、健康はまさに財産とも言えるでしょう。
最近は、団体信用生命保険の内容が多様化されており、特定の疾病にかかり所定の状態になった場合に残高が完済される「がん特約」や「特定疾病特約」付きの団体信用生命保険も登場しています。
例を紹介すると、生活習慣病になった場合にローン残高が0(ゼロ)円になる団体信用生命保険があり、まさに働き盛りには安心の保障となります。
また、健康上の理由で従来の団体信用生命保険への加入をあきらめていた方には緩和型も登場しています。
このほか、亡くなるリスクだけに対応するのではなく、一定の介護状態になった場合にも保障される団体信用生命保険も金融機関によっては取扱いがあります。
介護はある日突然にやって来ると言われています。若い世代も、事故などで介護状態になってしまう可能性もあります。介護状態なった場合でも団体信用生命保険からローン残高に相当する保険金が支払われますから、マンションは本人の所有となり、引き続き家賃収入も得られるようになります。
団体信用生命保険は、金融機関によって扱う商品や条件が異なります。また、健康状態によっては加入できないこともあることをあらかじめ知っておきましょう。
50代にも恩恵が
マンション投資は若い人ばかりが有利だとがっかりされていらっしゃる方もいるかもしれません。金融機関では、ローン完済年齢の上限を79歳から84歳に上げてきています。
例えば、50歳にマンションオーナーになりたいと検討した場合には、これまでは返済年数は29年が限度でしたが、34年も可能になっています。
これも、長寿時代の恩恵と言えるでしょう。
男性でも90歳を超えるご長寿の方は多くいらっしゃいます。公的年金だけでは心もとない老後生活となれば、50歳は老後生活の資金準備を検討できる最後の年代です。
いかがでしょうか。定年前に慌てて、老後の生活設計をして、準備をしようとしても“時は既に遅し”という事態になってしまいます。
マンション投資は、若いうちにスタートするのが有利であるという事をご理解いただけたでしょう。
そして、早く始めることで、早く家賃収入も得ることができ、丈夫な資産形成を築いていくことができるのです。