不動産投資初心者向け講座

不動産投資のレバレッジ効果を分かりやすく解説

投資に興味のある方であればレバレッジという言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

レバレッジ投資とは、担保を入れて元手の何倍もの取引を行い、投資効率を高める手法です。
不動産投資においても、融資を受けて投資資本を増大させることでレバレッジ効果が期待できます。

本記事では、不動産投資のレバレッジ効果のメリットと注意点をわかりやすく解説します。

【目次】

1. レバレッジの意味
 投資の世界のレバレッジとは?
 不動産投資のレバレッジ効果とは?
2. レバレッジ効果をシミュレーション
 レバレッジなし(融資なし)の投資を検証
 レバレッジあり(融資あり)の投資を検証
3. レバレッジ効果を高めるコツ
 借入金利と利回りの金利差を広げる
 空室リスクの低い物件選び
4. レバレッジ効果の注意点
 返済負担が重荷になる可能性がある
 イールドギャップだけで物件を選ばない
5.まとめ

1. レバレッジの意味

「てこ」を利用すると、弱い力でも大きな力を生み出せます。レバレッジという言葉は「てこの原理」が由来です。
投資においても、レバレッジを効かせることで、少ない元手で大きな資金を動かせます。

投資の世界のレバレッジとは?

レバレッジと聞いてまず思い浮かぶのは、株の信用取引、FX、暗号資産(仮想通貨)ではないでしょうか。
いずれの場合のレバレッジ取引も、証拠金や株式を担保とすることで、自己資金の何倍もの取引が可能となる投資です。

レバレッジを効かせた投資は、自己資本を効率よく運用できることが魅力ですが、反面、損失が大きくなることもありますので注意が必要です。

不動産投資のレバレッジ効果とは?

不動産投資では、金融機関から融資を受けて不動産を購入することで、運用効率を上げることをレバレッジ効果といいます。
利回りが同じなら、運用資金が大きいほうがリターンは大きくなります。

借入金利と収益物件の利回りの金利差をイールドギャップと呼びます。
イールドギャップが大きいほど運用効果が高く効率的な投資ができていると考えます。

2.レバレッジ効果をシミュレーション

投資の利回りは投資額に対するリターンの割合で次の式で求めます。
利回り(%)=リターン÷投資額×100
リターンが同額なら投資額が小さいほうが利回りは高くなり、同じ利回りなら投資額が大きいほどリターンが膨らみます。

レバレッジを効かせた投資では、少ない投資額で大きなリターンを生み出せます。
レバレッジ効果を検証するために、次のケースでシミュレーションしてみましょう。

レバレッジなし(融資なし)の投資を検証

【自己資金100万円と500万円の違い】

〇利回り10%固定の場合

自己資金100万円の利益:10万円(100万円×10%)
自己資金500万円の利益:50万円(500万円×10%)

利回りが同じなら、自己資金が大きいほどリターンも大きくなります。

〇リターン10万円固定した場合

自己資金100万円の利回り(100万円✕10%=10万円)
自己資金500万円の利回り(500万円✕2%=10万円)

リターンが同じなら自己資金が小さいほど、運用効率の高い投資になりますが、一方で、投資のリスクとリターンは比例するため、利回りが低い投資は堅実な投資という見方もできます。

レバレッジあり(融資あり)の投資を検証

【自己資金100万円】

物件価格:3,000万円
利回り:4%
借入金利:2%
イールドギャップ:2% (利回り4%-借入金利2%)
リターン:60万円 (3,000万円×2%)

仮に、利回り4%のほかの金融商品に100万円投資した場合、リターンは4万円です。
一方で、借入金利2%で融資を受けて、利回り4%の3,000万円の収益物件に投資した場合、リターンは60万円になります。

同じ100万円の自己資本が、レバレッジ「なし」と「あり」では、リターンに15倍の差がでます。(4万円→60万円)

融資を受ければ、元本の返済義務が生じますが、投資のリターンを上げたいなら、レバレッジを使った不動産投資は効率の良い投資といえるでしょう。
また、融資の返済は家賃収入で補うため、大きな負担にはなりにくいです。

3.レバレッジ効果を高めるコツ

不動産投資では、自己資本に対する融資額が大きいほど、レバレッジ効果は高まり、運用効率が上がることになります。
レバレッジ効果を最大化するために、次のことを意識しましょう。

借入金利と利回りの金利差を広げる

借入金利と利回りの金利差が大きいほどレバレッジ効果が高いということは、借入金利を低くして利回りの高い物件を選ぶことが効率的な投資をするポイントです。
ただし、高利回り物件はリスクも大きくなるので慎重な判断が必要です。

また、投資物件の融資先は個人で探すことは困難である場合が多いため、通常は、不動産会社に斡旋してもらうことになります。
なるべく有利な条件で借入れをするには、幅広い金融機関と提携している不動産会社を選ぶことが重要になります。

金融機関からの信用力を上げる

なるべく有利な条件で融資を受けるためには、年収を上げて借入限度額を増やすことや、空室リスクが低く担保価値の高い不動産選びをすること、また、他にローンなどの負債があれば整理するなどしておくなども大切です。

4.レバレッジ効果の注意点

レバレッジを効かせた不動産投資は、大きな収益を得られる可能性がある一方、注意点もあります。

返済負担が重荷になる可能性がある

レバレッジ投資は、自己資金のみでは手の届かない収益物件に投資ができることが魅力ですが、不動産投資の利回りは家賃収入をもとにしているため、空室が多いとリターンが少なくなります。

融資の返済は基本、家賃収入からとなるため、空室により家賃収入が得られないと自己資金から返済をしなければなりません。

どんな種類の投資にもリスクはありますが、不動産投資のレバレッジ特有のリスクは十分理解しておくようにしましょう。

イールドギャップだけで物件を選ばない

理論上、イールドギャップが大きいほど効率的に自己資本を運用していることになりますが、それだけで物件を選ぶのは避けたほうがいいでしょう。

期待通りのリターンを維持するためには、建物の立地や将来的な賃貸需要など複数の条件を検討することも大切です。
継続して一定の収益性が維持できる見込みのある物件選びが重要でしょう。

5.まとめ

投資はレバレッジを効かせるほど、リターンが大きくなります。
不動産投資は他の投資と比較して大きなレバレッジ効果が期待できる投資です。

不動産投資の運用効率を高めるためには、空室リスクの低い物件選びと、融資を有利な条件で受けられるように複数の金融機関と提携している不動産会社選びが大切です。空室リスクの低い物件選びによりリターンを確保できれば、少ないリスクで高い運用効率が期待できます。

投資に保証はありませんが、不動産投資は資産形成の手段として効果的な投資といえるでしょう。