2020年から始まったコロナ禍の影響で、多くの飲食店をはじめとするリアル店舗展開を営んでいるビジネスが大きな打撃を受けています。
有名な百貨店なども閉店に追い込まれるなど、特に飲食業・観光業に関する業種はこれまでにない苦境に立たされています。
一方で、コロナ禍において投資が脚光を浴びています。コロナ禍の影響で一時的に株価は下がったものの政府の経済対策などが後押しして、主要ネット証券では口座開設が激増、クラウドファンディングのプロジェクト件数も過去最高となり、株価もコロナ前にもどりつつあります。
そうしたなかで、不動産投資、特に都内のマンション投資に関しては販売戸数や利回りにはほとんど影響せずに、安定した価値を保っています。
今回は、「不動産投資には興味があるけど、今の状況だとちょっと不安…」という方々のために、2020年、コロナ禍のなかマンション投資を始めた3名の方々に対してインタビューを行いました。
※名前は仮称となります。
インタビューをした方々/自己紹介
■倉島さん:東京都在住30代女性/既婚
北区に住んでいる倉島洋子と申します。家族構成は夫と生後5か月の息子と3人で住んでいまして、食品メーカーに勤めていますが今は育休中です。
今コロナ禍というのもあるので、以前と比べれば外食や飲み会に使うお金が減っているというか、結果的に節約になっています。
■木村さん:東京都在住30代男性/既婚
木村武夫と申します。港区に住んでいます。税理士法人に勤めていて私自身も税理士として働いています。
給与計算などの業務がメインです。出身は北海道で、今は彼女と一緒に住んでいます。
■山岡さん:東京都在住50代男性/既婚
山岡勉です。練馬区に住んでおりまして、家族は妻と息子2人で、長男は社会人で次男は今大学に通っています。
私は上場企業でテナントビルの契約業務をする部署にいます。
コロナ禍のなか不動産投資を始めた方の価値観
インタビューを受けてくださった方の価値観としては、趣味などに違いがあるものの、投資全般には興味を持っている方が多く、余ったお金を投資する傾向があるようです。
また、自分の趣味を持ち、みなさん自分の時間を大切にしています。投資もETFなどの高配当株をやっている傾向があり、最終的に自分のお金を少しでも増やしたいと考えている方々でした。
コロナ禍で変わったこと
■以前と比べれば飲み会に使うお金が減っていて結果的に節約になっている。
■その分、趣味のゴルフにお金をかけている。
■息子が生まれて間もないので、保険を追加したり、投資に回したりしている。
そんな方に対するインタビューです。
次からは、不動産投資に関するインタビューを紹介します。
不動産投資を始めたきっかけは?
---マンション投資を始めようと思った時期ときっかけを教えてください。
倉島:2020年の夏頃だったと思います。きっかけは、知り合いの何人かが不動産投資を始めたことで、また、自分の妊娠がわかって、お金を増やす仕組みを作ったほうが良いなと考え始めたからでした。
木村:株式相場が日経平均で3万円くらいのときだったと思いますが、それ以上の上昇がなさそうだったので、株式投資はストップして不動産に資金を入れたという感じです。また、知り合いに不動産投資会社の方がいて、不動産投資を始めるにあたっては始めやすい環境にあったのも理由の一つだと思います。
山岡:テレワークになって通勤時間や商談への移動時間が浮いたので、投資情報みたいものをネットとかで度々見るようになって、そこから興味が湧いてやってみようかという感じでした。それまでは株式投資をやっていて他の投資も検討しようかなと。
物件を選ぶまでの期間や検討した物件数は?
---今回の投資はどれぐらいの期間でどのように物件を決めました?
倉島:物件を紹介されて2ヶ月ぐらいかかりました。全部で4~5物件見て現地調査をして最終的に決めました。
木村:私は1週間か2週間くらいだったと思います。1回現地調査に行ってすぐに決めました。
山岡:半年ぐらいですかね。5~6物件は検討しました。投資用マンションの販売会社数社の営業マンの方から情報収集して、まずターゲットエリアを固めたうえで絞り込んでいった感じですね。
物件を選ぶ際に重視したポイントは?
---情報収集の方法と重視したポイントを教えてください。
倉島:一番多い情報収集先は不動産会社の営業マンの方ですね。あとはネットなどで調べました。特に、駅徒歩圏内の利便性を重視しました。
駅から近いことが一番で、次にエリアですかね。山手線とか限定はしていないんですけど、各鉄道会社が今後この駅に力を入れて開発しようとしているとかは、なんとなくわかると思うんです。そういう駅を選ぼうとしていました。
木村:基本的には知り合いの不動産会社の営業マンの方からの情報です。私の場合は、私が住んでいる近くに限りました。
自分が知っているところが一番いいですから。
山岡:不動産会社の方から電話が来たりするので、自分のターゲットエリアをお伝えして、良い物件があったら送ってくださいとお伝えして情報収集していました。
重要視するのはやっぱり利便性も含めたエリアですね。例えば複数の路線が乗り入れている駅から近い物件とか。
不動産会社の探し方と選んだ理由は?
---不動産会社を探した方法とこの会社に決めた理由を教えてください。
倉島:インターネットで、一括で資料請求できるみたいなサイトがあると思うんですけど、そうしたところに登録すると営業電話が来るようになるんです。そこから何社か会って決めました。
薦めてくる物件が、自分が考えていた方針と合っているところを探しました。極端な例を言うと、一棟買いをめちゃめちゃ薦めてくる会社とかだと、自分は全く検討していないので対象外としたり…。
あとは初めて商談するときに、必ず夫と2人でお話を聞いていたのですが、最終的に私と夫が気に入った営業マンの方にお願いしました。
木村:私は最初から知り合いの不動産の方にお願いしようと思っていました。
山岡:いくつかインターネットなどで探しました。自社の分譲マンションでなおかつ管理も自社で行っているところは、賃料もずっと履歴でわかるので、それが安心できるところかなという目線で選びました。
今度も物件は増やしていくのか?
---不動産投資を、今後こうしていきたい、など考えはありますか。
倉島:物件数をどんどん増やすとかはあまり考えていなくて、持っても2件くらいかなと思っています。ただずっと持つというよりは、10年、15年とかで売ることも考えているので、そしたらまた次を購入するとか、という風に回していければ良いかなと思っています。
木村:特に増やすことは考えていなくて、15年から20年後くらいに売りたいと思っています。僕は、不動産投資は、投資というよりビジネスかなと思っています。東京の物件だとどうしても取得価格が高いので利回りが出ないんですよね。だからあまり投資にはならないと思っています。今回購入したのは、マンション投資を経験してみたかったという理由からです。
山岡:まだはっきりとは決めていませんが、3~4物件は持ちたいと思っています。ぼんやりなんですけど、自宅のローンは終わっているので。子供が2人いるので、2物件は残してそれぞれ何かの足しにしてくれれば良いかなと思っています。今後も都心のマンションが良いとは思っていますが、地方都市の方が利回りは良いので、キャピタルと利回りのバランスだと思います。今、都心部は利回りが低すぎるので。そのへんのところはどうしようかなという感じですね。
不動産投資の展望は?
---今後不動産投資はコロナ禍も含めてどのようになっていくと思いますか?
倉島:今後も住宅にはあまり影響は無いとと思います。今までに比べたら東京から出ていく人が増えているかもしれないですけど、個人的に短期的で軽微な影響なのかなと思っています。
私の考え方としてあまり利回りを求めていないので、都心にフォーカスしていれば大丈夫だと考えています。
木村:都心の人口の集中は今後も続くので、レジデンス(集合住宅)であれば大丈夫だと思っています。オフィスはちょっと空室が増えているかもしれないですが。郊外に移住なんていう話もありますが、数的にはそんな多くはないと思うんです。リモートワークがどれほど進んでいるのかも怪しいですし、なかなか切り替わっていかないと思います。
山岡:今後も、東京に限ってはそんなに大きな値崩れはないんじゃないかなと思っています。
今回のインタビューを通して…
今回1年以内に不動産投資を始めた方にインタビューをしましたが、皆さん、よく勉強されているなというのが印象深かったですね。
コロナ禍で、社会環境が変わるなかで、不動産に限らず将来的な資産運用をよく考えられているようです。皆さん共通して、株式などの投資に興味があったり、実際に経験されていたりする背景があって、そのひとつとして、不動産投資に対して興味を持ったという流れで実際にマンション投資をしたようです。
都心のマンション投資は利回りが低いという話もありましたが、一方で都心の人口集中は今後も続くと全員が考えていて、資産という意味で都心の不動産に関して不安と考える方はいませんでした。
今後不動産投資をお考えの方は、今回のインタビューをぜひ参考にしてみてください。