老後の不安や子どもの教育費の蓄えのため、生活費の確保など、様々な理由から投資を検討する方が増加しています。
ただ、投資の種類は多くリスクの程度も様々であり、何から始めればいいか分からないと不安になるのではないでしょうか。
今回は、投資の種類とリスク、リターンの目安をご紹介します。さらに、数ある投資の中でも不動産投資が人気を集める理由もみていきましょう。
【目次】
1.性質が異なる2種類の投資方法
モノを購入する実物資産への投資
金融商品を購入する金融資産への投資
実物資産と金融資産への投資の大きな違い
2.主な投資方法の特徴、リスクとリターンを比較
ローリスク超ローリターン:国内銀行の定期預金
ローリスクローリターン:日本国債
ミドルリスクミドルリターン:社債
ハイリスクハイリターン:株・投資信託
ミドルリスクミドルリターン:REIT
ミドルリスクミドルリターン:不動産投資
3.主な投資方法とリスクの関係をわかりやすく解説
4.不動産投資が人気を集める6つの理由
①.安定した家賃収入が得られる
②.インフレ時代の資産運用に強み
③.生命保険のかわりになり得る
④.相続税評価額を圧縮
⑤.自身や家族の住居にできる
⑥.税金の還付や負担軽減効果が期待できる
5.まとめ
1.性質が異なる2種類の投資方法
世界には様々な投資方法がありますが、投資対象で考えると以下の2種類に分類されます。まずは、2種類の資産の違いと概要を把握しておきましょう。
・実物資産への投資
・金融資産への投資
モノを購入する実物資産への投資
不動産や金、銀、プラチナなどのモノを実物資産といいます。
実物資産への投資は、そのモノ自体に価値があるため大きく値崩れしにくいという特徴がある反面、すぐに値上がりをすることが少なく短期間での売買による利益は出にくい傾向があります。
バブル期のように、安く買った不動産を高く売るという投資方法は、一般の方には難しくなり、現在は長期保有して家賃収入を得る方法が主流となっています。
金融商品を購入する金融資産への投資
株や投資信託、国債や先物商品、定期預金などを金融資産といいます。
金融資産への投資は、実物資産への投資と比較すると、短期間で大きな利益を得ることも可能ですが、短期間で資産が半減するような大きな損失を被ることもあり、個人の力量が問われる投資方法といえます。
実物資産と金融資産への投資の大きな違い
実物資産への投資と金融資産への投資の大きな違いは、以下の通りです。
|
実物資産 |
金融資産 |
初期投資金額 |
まとまったお金が必要 |
少額でスタートできる |
リスク |
ミドルリスクミドルリターン |
ハイリスクハイリターン |
個人の力量によるパフォーマンスの差 |
少ない |
非常に大きい |
2.主な投資方法の特徴、リスクとリターンを比較
次に、各投資方法の特徴とリスク、リターンの度合いを解説します。
ローリスク超ローリターン:国内銀行の定期預金
ほぼリスクがないかわりに、ほとんどリターンを得られないのが国内銀行の定期預金です。1,000万円以下の預貯金であれば、国の預金保険制度によって保護されるため、金融機関の破綻によるリスクもほとんどありません。
しかしながら、現在の国内銀行の定期預金の金利は年0.002%程度と、100万円を預け入れても1年間に20円しか増えず投資とはいえない状況です。
ローリスクローリターン:日本国債
日本国債とは国が発行する債券です。国の借金であるものの、日本が破綻しない限りは必ず返済されるためリスクは低いといえます。
しかし、リターンも低く、利率は年間0.6%程度です。
ミドルリスクミドルリターン:社債
社債は、会社が発行する債券のことを指します。社債は個人が購入可能で、会社の経営状況等によって利率が異なります。
一般的には、倒産リスク等が高い社債の利率は高く、リスクが低い社債の利率は低いのが特徴です。平均的な利率は年間1%程度です。
ハイリスクハイリターン:株・投資信託
最もメジャーな方法で参入しやすい投資が、株や投資信託への投資です。上場している企業の株式を自分で選んで購入する株式投資は、場合によっては短期間で2倍3倍の利益を得られる一方で、資産を全て失うこともあります。
プロに運用を委託する投資信託は、株式投資よりはリスクリターンともに低いですが、元本割れのリスクは常にあります。想定される利回りは年間数%から10数%です。
ミドルリスクミドルリターン:REIT
REIT(リート)とは、複数の投資家がお金を出し合って物件を購入して利益を分配する金融商品のことをいいます。
初期投資が小さい分、リターンも少なくなりますが国債や債券よりは高い利回りが期待できます。想定年間利回りは数%です。
ミドルリスクミドルリターン:不動産投資
不動産投資で利益を得る方法は、キャピタルゲインとインカムゲインです。キャピタルゲインは購入額と売却額の差分で利益を得るもので、インカムゲインは家賃収入で利益を得るものです。
一般の人が参入しやすいものがインカムゲインであり、購入する時期や物件によってリスクとリターンは大きく異なりますが、一般的なインカムゲインの想定利回りは数%です。
3.主な投資方法とリスクの関係をわかりやすく解説
投資方法によってリスクの度合いが異なることがわかりましたが、同じ投資方法の中でもリスクは大きく異なります。
リスクを自分で判断できるようになるためにはリスクの種類と概要を把握しておくことが大切です。
元本変動リスク |
収益変動リスク |
信用リスク |
元本を下回るリスク |
収益 |
運用会社の倒産リスク |
例えば、日本の定期預金は、元本変動リスク、収益変動リスク、信用リスクもほぼありません。そのかわりリターンも非常に少なくなっています。
リスクとリターンは相関関係にあり、リスクが低ければリターンも小さくなる傾向です。
投資のリスクを検討する際は、上記の3つのリスクを自分で調べて許容できる範囲かどうかを判断します。
4.不動産投資が人気を集める6つの理由
数ある投資方法の中でも古くから多くの人々が参入しているのが不動産投資です。不動産投資が人をひきつける理由は以下の6点です。1つずつ確認をしていきましょう。
①.安定した家賃収入が得られる
不動産を購入して人や会社に貸せば家賃収入が得られます。空室にならない限りは家賃収入が入り続けるため、ご自身が病気やけがで動けなくなっても収入が途絶える心配はありません。
②.インフレ時代の資産運用に強み
不動産の賃料は、物価の上昇に応じて上がっていきます。もちろん物件自体の価格も高くなりますので、インフレによって資産が目減りする心配がありません。
③.生命保険のかわりになり得る
住宅ローンで物件を購入して、団体信用生命保険に加入しておくと、本人が死亡したらローンの残債を支払う必要がなくなります。残された家族は、ローンを返済することなく家賃収入を受け取ることが可能です。
また、けがや病気で働けなくなった場合も賃料は入り続けますので、医療保険や傷害保険としての役割も果たします。
④.相続税評価額を圧縮
購入した物件が、小規模宅地の特例に該当する場合、相続税の評価額を最大5分の1まで圧縮可能です。預貯金を遺すよりも相続税が減るためご家族の手元に残る資産が増加します。
⑤.自身や家族の住居にできる
収益用物件に住宅が併設されている物件を購入すれば、収益を得ながらご自身や家族が住むことも可能です。またご自身が一定期間を過ごしてから賃貸に出すこともできます。
⑥.税金の還付や負担軽減効果が期待できる
マンションや戸建てを第三者に貸して家賃収入を得ており、年間の必要経費が利益を上回る赤字の状態としましょう。その場合、給与所得から赤字分を差し引くことが可能です。
このような場合は、給与から源泉されている所得税が還付され、住民税の翌年分の負担も軽減されます。
5.まとめ
投資には様々な種類がありますが、いずれもリターンを得るためには一定のリスクが生じます。
昔から支持を集めている不動産投資には様々な魅力があり、人生のリスクを軽減することもできますので、投資選びに迷っている方は、第一選択肢にいれておきましょう。