不動産投資会社に勤めていると、お客様や友人から「自分で投資用物件を持たないの?」と質問を受ける機会は非常に多いです。
実は、不動産投資会社の属性(銀行など融資する側からの評価)はあまり高くなく、ローンを組めずに投資したくてもできないケースは少なくありません。
そのため、どんなに良い物件でもなかなか自身では投資用物件を持てないという現実があります。
ただ、不動産投資会社に勤める営業スタッフであっても、投資用物件を持つことは不可能ではなく、クレアスライフに勤める社員の中にも、自身で投資用物件を保有している人間は多くいます。
その中でも、クレアスライフで取り扱っている物件を3室保有し、4室目を検討している営業スタッフに、物件を保有した経緯や当時の状況、現在の収益情報などを話してもらうことにしました。
第三弾となる今回は、3室目の物件についてご紹介していきます。
第一弾:なぜ自分でやらない?~不動産投資営業スタッフの投資実績【文京白山編】~
第二弾:なぜ自分でやらない?~不動産投資営業スタッフの投資実績【千歳烏山編】~
【目次】
1.物件購入までの経緯
2.購入した物件について
3.費用や管理について
4.3室目の購入で感じた不動産投資の注意点
5.まとめ
1.物件購入までの経緯
お父様が賃貸業を営んでいたことから、元々不動産投資に興味があった営業スタッフは、入社4年目に1室目の文京白山の物件を購入し、その1年半後に2室目の千歳烏山の物件も購入しています。
今回は、3件目の物件購入に至る経緯からご紹介していきます。
―― 1室目から1年半後に2室目、そこからわずか1年後に3室目と、かなり早く感じる方も多いと思いますが、どのように考えていますか?
営業スタッフ 物件を複数保有する方の中には、数カ月単位で購入される人も多いので、そこまで早い方ではないと思います。
実際、私も複数物件を所有したいとお考えのお客様に提案するときは、良い物件があれば前回の購入時期にこだわらず買い足すことをおすすめしています。
―― 3室目はどのようなきっかけで購入したのでしょうか?
営業スタッフ 2室目の千歳烏山の物件を紹介してくれた不動産仲介の人から連絡をもらったのがきっかけです。
もともと複数物件を保有する予定で、3室目には他の物件を前向きに検討していたのですが、売主側の事情が変わり購入できませんでした。そこで良い物件がないか探していたところ、2室目を紹介いただいた担当者から連絡をもらいました。
ご紹介頂いた大森の物件は1室目、2室目と同シリーズのマンションで、エリア属性から見ても賃料が安かったので、いずれ賃料アップが狙えるのではと検討をスタートさせた形です。
―― 1室目、2室目と同シリーズのマンションということですが、3室目も同シリーズから探していたのでしょうか?
営業スタッフ いえ。1室目、2室目はクレアスレント(クレアスライフのグループ会社で、物件の賃貸管理業務を行っている)で管理している物件でしたが、もともと検討していた物件は他社の物件です。折り合いがつかず、購入まで至りませんでしたが…
結果的に3室とも同シリーズの物件を購入することになりましたが、他社のものでも良い物件があれば検討しており、たまたま同シリーズになった形です。
―― 参考までに、不動産投資会社の営業スタッフから見て、良い物件の条件を教えてください。
営業スタッフ 費用、立地、間取りという3つの要素が重要だと思います。
特に中古マンションは、間取りが大切です。ゆくゆくリノベーションをすることを考えると、広々とした空間が必要になるからです。
例えば、築古物件ではユニットバスが一般的ですが、今は独立洗面台が人気ですよね。現代の生活に合わせるには広いスペースを確保しなければなりません。
今回の大森の物件も、同じマンションの中で唯一25平米と広い間取りの部屋だったので、将来的にリノベーションができるのではと考えています。
―― 3室とも中古物件ですが、新築や築浅の物件はなぜ購入しないのでしょうか?
営業スタッフ ローンと自己資金の関係です。不動産投資会社は属性がそこまで良くないのでフルローンが難しく、銀行によりますが頭金を3割ほど準備しなくてはなりません。新築物件で1室3,000万程と考えると、1,000万近くの自己資金が必要になります。
今後も新しい物件を購入していきたい私としては、できるだけ自己資金を取っておきたいので、そこまでの資金は出せません。
予算の問題がなければ、3室全てを中古物件にするのではなく、新築や築浅も購入したかったです。リスク分散という意味合いもありますが、管理の手間や売却時のことを考えると、新築や築浅の物件はとても魅力的です。
2.購入した物件について
購入した物件について概要をまとめましたので、簡単にご紹介します。
【物件名・立地】
菱和パレス大森西
東京都大田区大森西6丁目2丁目
【概要・設備】
物件種別:マンション
築年月(築年数):1992年9月(当時は27年)
建物構造:RC(鉄筋コンクリート)
建物階建:地上4階
総戸数:42戸
設備:BSアンテナ、オートロック、エレベーター
【部屋】
賃料:
面積:25.06m2
間取り:1K
設備:システムキッチン、室内洗濯機置き場、フローリング、エアコン、シューズボックス、バルコニー、電気コンロ
【アクセス】
京浜急行電鉄本線「梅屋敷(東京)」 徒歩8分
京浜急行電鉄本線「大森町」 徒歩10分
京浜急行電鉄本線「京急蒲田」 徒歩15分
京浜東北・根岸線「蒲田」 徒歩22分
京浜急行電鉄本線「平和島」 徒歩21分
【写真】

外観

エントランス

共用部

部屋
3.費用や管理について
それでは、マンション購入に関する費用についてお聞きします。
―― これまでは日本公庫や信用金庫から資金調達をしていますが、3室目は?
営業スタッフ もともとは違う金融機関に交渉していたのですが、最終的に日本公庫でローンを組むことになりました。
日本公庫は条件がいいのですが、自己資金をある程度入れる必要があります。複数物件を持つために自己資金を温存したい私としては、他の金融機関で調達したかったんです。
そこで色々な金融機関を回ったものの、当時は金融機関の不正融資問題が取り沙汰されていたこともあり、どこもマンション融資に消極的で借りられませんでした。それで、日本公庫に落ち着いたという経緯です。
―― 確かに当時から融資が厳しくなりましたね。
営業スタッフ 以前はマンション投資による収支がマイナスでも貸してくれましたが、今は収支がプラスじゃないと貸し渋る金融機関が多くなったと思います。
実際、今回は収支がプラスになるように自己資金を多く入れています。3室目は12年ローンを組んでいるのですが、ローンが短いと毎月の返済額が上がるので、黒字にするためには自己資金をたくさん入れなくてはいけません。
自己資金をあまり使いたくなかったので長期ローンを組みたかったのですが、築年数(耐用年数)の関係で最長12年と言われてしまいました。
ただ、当初は長期ローンを希望していましたが、短期だと利息負担が減りますし、今となっては良かったのかなと思っています。
4.3室目の購入で感じた不動産投資の注意点
最後に、不動産投資会社の営業スタッフが複数物件を購入してみて思った、不動産投資の注意点をお聞きしました。
営業スタッフ みなさん不動産投資をする前に情報収集をされるかと思いますが、私も3室目の購入前に、マンションやエリア属性について調べていました。
アクセスが良く、大学が近くにありましたし、周辺物件に比べて賃料が安いことも確認したので良い物件だと思ったのですが、お金を支払う直前に別部署の知り合いから、快速が止まらないから賃料が上がりにくいエリアであると教えてもらったんです。
実際に現場まで行って、再開発の状況や商店街の様子、ドア・ツー・ドアの時間もチェックしたのに、気づけない部分もあったのかと少し落ち込みました。
私も不動産投資会社に勤めていますし、投資経験もそれなりにあると思っていたので、見落としていた部分があったことに驚きました。自分を過信していたのだと思います。
投資経験が増えてくると、経験則や自分が調べた情報で判断してしまいがちですが、必ずそのエリアに詳しい人や専門家に相談することをおすすめします。
5.まとめ
前回に引き続き、今回もクレアスライフの営業スタッフに協力してもらい、不動産会社に勤める営業スタッフはどのように不動産投資を行っているのかを教えてもらいました。
次回は、もうじき購入予定の4室目についての話をご紹介していこうと思います。