現場のプロが教える不動産投資ノウハウ

生命保険代わりにもなる?団信保険を使った不動産投資がオススメ

 

不動産投資をする人にとって団信保険(団体信用生命保険)は、身近な生命保険です。
これは、自宅の購入でも住宅ローンを利用する際、ほとんどの方が加入していることでしょう。今回は生命保険の種類と注意点、生命保険代わりに不動産投資を勧めたい理由についてまとめました。

生命保険の種類

一口に生命保険と言っても種類は多種多様ですが、その特徴は、定期型・終身型・貯蓄型の大きく3つのグループに分けることができます。

  • 定期保険
    定期保険は、保険料を支払う一定の期間だけ、保険が適用される商品を指します。「かけ捨て」と呼ばれるもので、基本的に毎月の保険料は低くなります。ただし、貯蓄性がないため、解約返戻金(解約払戻金)や満期を迎えた時に戻ってくるお金が少額もしくは全くない場合が多いです。一般的にはサラリーマンなどが現役期間に合わせて、手厚い保障を備えながら保険料負担をできる限り少なく抑える目的で利用しています。老後の生活を補てんする役割としては「弱」と言えるでしょう。
  • 終身保険
    終身保険は、保険期間に終わりがなく一生涯保険が適用される商品です。保険期間の終了は、被保険者が死亡した時点となります。多少貯蓄性はありますが、一生涯保険料を払わなければならず、また定期保険と比べ保険料も割高ですので、終身保険は少なめにして、定期特約を付けた終身保険に加入する場合が多いです。そのため、老後の補てんとしては、「中」くらいです。また、終身保険は相続税や葬式代といった支出をカバーしたい場合に利用されることも多いです。
  • 養老保険
    養老保険は、貯蓄の目的も合わせた生命保険の一種です。保険期間中に死亡した場合には死亡保険金が支払われ、満期を迎えた際には積み立てた保険料と同額ないしそれ以上が満期金として支払われます。ただし、3つのタイプの保険商品の中でも毎月の保険料は一段と高いです。一方で、途中解約をした場合の返戻金は、それまで支払った保険料を下回ることもあります。老後の補てんとしては「強」となりますが、毎月の保険料が高いため、保険見直しの際に解約してしまう方もいます。

生命保険の実態

今年から導入されたマイナス金利で、国内金融の金利は下がりました。
当然、生命保険会社にも少なからず影響を及ぼしています。 生命保険会社は契約者から受け取った保険料をストックし、国債などで運用します。
しかし、マイナス金利の影響で国債の価格が高騰し、利回りは下がってしまいました。生命保険会社は、一般的に満期保険金などの支払額を固定しているため、長期的な面で考えると支払金が不足する可能性もでてきます。これは「逆ザヤ」と呼ばれ、バブル崩壊後にみられた現象です。逆ザヤの状態が続くことで保険会社の財務状況が悪化し、最悪の場合は経営破綻を招きかねません。
実際に1990年代後半から2000年代にかけて、日産生命をはじめとする多くの保険会社が破綻する要因となりました。

不動産投資を勧める理由

先述のとおり、金利が下がる時代において生命保険は不安定な商品であることをお伝えしました。
そこで近年、生命保険と比較して不動産投資を検討する方も増えています。
ここでは、不動産投資が生命保険の代わりになる理由を見ていきます。不動産投資で住宅ローンを利用する際、金融機関は団信保険の加入を条件とする場合があります。
団信保険は、住まい・投資に関わらず、住宅ローンの契約者が高度障害状態もしくは死亡した場合などに、その保険金でローンの残債を一括で返済すると言ったものです。
保険契約者は金融機関となり、主に保険料相当分は住宅ローンの金利に含まれています。別途支払いを求められることはありませんので利用しやすく、また、家族に対し無借金の不動産資産を残せるため、生命保険の代役としての役割を担ってくれます。
不動産投資の場合は毎月の家賃収入があり、毎月の支払いの多くはそちらで相殺するため保険料負担は軽く、一方、万が一の際には資産が残り、賃貸し続ければ家賃収入が遺族年金の様になり、売却すればまとまった保険金の様になります。
また、老後長生きした場合は、定期保険の様に無くなる訳ではなく家賃収入が年金収入の補てんになります。不動産投資はメリットの多い“保険”だと言えるでしょう。

 

最近では、団信保険も時代のニーズに合わせて進化しています。
がん・心筋梗塞・脳卒中が原因で病気になったり、事故などで要介護状態になったりした場合に適用される「3大疾病団信」「介護団信」などもあります。
生命保険だけでは不安を感じたり、保険の見直しを考えたりする際は、保障の拡大につながる不動産投資も検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社クレアスライフ 不動産コンサルタント

清水 剛

不動産投資の営業として16年従事し、これまで数百人に上る投資検討者への提案・アドバイスを行う。 現在は営業の第一線から卒業し、企画側として不動産投資の魅力を多くの人に伝えるべく、セミナー講師やメディア出演などに精力的に取り組んでいる。