中高年に差しかかってくると親の介護の問題が浮上してきます。「誰がどうやって介護するのか? お金の負担は大丈夫なのか?」といった心配も出てくることでしょう。 迫り来るそのときに備えて、様々な負担を対処する方法のひとつに不動産投資があります。最近では介護時代に対応した保険付の不動産投資ローンもあり、これからの時代を乗り切る手段にもなり得そうです。
介護問題の現状と不安
高齢の親がいる中高年にとって介護は突然やってきます。また、高齢でなくても病気やケガをした後、自宅療養で介護が必要になる場合もあります。
「同居の状態で介護に要する時間」を見ると、「ほとんど終日」を要される割合は、介護判定が要介護3以上で30%を超え、さらに要介護5では50%(東京新聞WEB版2012年10月17日)と、大半は「つきっきり」な状態が窺えます。介護は人を相手にするもので体力的にも精神的にも負担がかかります。介護する側も老いが進行するなかで、「いつまで」という期間もないため、持ち堪えていくだけで精いっぱいです。さらに、介護施設の数は足りていないうえに介護職のなり手が少ないという問題もあります。少ない給料で重労働という仕事内容が原因であり、なかなか解決できていないのが現状です。つまり、介護が必要になったからといってすぐに介護施設で生活できるとは限らないのです。
増えている介護離職
労働組合の統括組織、連合(日本労働組合総連合会)が40歳以上の労働者を対象とした調査で、親などの介護を過去5年以内に経験した人で「仕事を辞めようと思ったことがある」人は27.9%、「実際に辞めた人」は1.6%でした。(日本経済新聞WEB版2016年4月6日) 仕事を退職するにしても介護者自身の生活はどうするのか、介護に要する支出はどうするのかという問題が出てきます。親の年金を充てにしたくても、今の年金事情からもそれだけに頼ることはできません。労働収入が減り、経済的な不安を抱えたままで介護をしなければならないという、まさに「板挟み」な状態も考えられるのです。
家賃収入という解決策
こうしたいざというときのために助けになるのが不動産投資による「家賃収入」です。
不動産投資は、安定収入を得られるだけでなく、管理会社に管理を任せれば自分の労力や時間を費やす必要はほとんどありません。高齢者にとっても働かず収入を生み出せる方法となります。最近では相続対策も合わせ、親から子へ収益不動産を贈与する動きも見られています。親子間で事前に家賃収入を確保しておくことで、いざというときの副収入になるのです。
また、未婚率が増加しているなか、独身者にとって自分自身の介護も不安です。 そこで、最近では不動産投資向けローンでも介護保障保険の付いた団体信用生命保険が出てきています。一般的な団体信用生命保険は、ローン返済期間中に死亡ないし高度障害になった場合にのみローンの残債が保険によって支払われるものですが、介護保障付のものは要介護状態(一定の要件があります)の場合でも、残債が保険によって支払われます。
つまり、その後は不動産が無借金となり、貸し続ければ家賃収入を得られ、売却してまとまった資金にすることもできるようになります。独身者にとっては年金対策と合わせ、自分自身の介護対策にも有効です。
2025年問題
2025年は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に突入する年です。この年以降2200万人が75歳以上となる「超高齢化社会」を迎えます。
団塊の世代は特に人口の多い世代であるため、医療や介護の社会保障負担が急激に高まり財源も懸念されます。公的な給付やサービスが十分に受けられなくなることも見据えると、ますます個人で資産形成をしていかなければならないと言わざるをえないのです。
介護をする側だけでなく、介護をされる側になったときも収入は必要です。労力や時間を費やさずして収入を得られる不動産投資はまさに介護時代を乗り切るためのものであり、後々の自分を助けてくれるものでもあります。
これからの時代は、「自分の身は自分で守る時代」。
将来に向けた資産形成に不動産投資を役立ててみてはいかがでしょうか。