不動産エコノミストが語る 不動産投資の必須思考

ワンルーム投資、新築と中古どっちがいいのか?

目次

― 新築ワンルームマンションは割高か?
― 区分マンション投資における新築物件と中古物件のメリット・デメリット
― 中古物件メリットとは?
― 中古物件のデメリット
― 流通量の違いと新築物件の情報の先取り

区分マンション投資・ワンルームマンション投資を行う際、中古物件と新築物件のどちらに投資するかを悩む方は多いものです。特に初めての場合は、とくに悩むことでしょう。
結論から言えば、新築物件・中古物件とも、メリット・デメリットがあります。重要なことは、こうしたことをしっかりと理解した上で区分マンション投資を行うことです。
今回は、ワンルームマンション投資を行う場合、新築・中古、どっちがいい?について解説します。

新築ワンルームマンションは割高か?

不動産投資、賃貸住宅投資関連の記事などを見ていると、「新築ワンルームマンションへの投資は割高感がある」と書かれていますが、はたしてそうでしょうか?
確かに、同一条件下では、中古物件に比べて物件価格は高くなります。しかし、その分メリットが多くあります。
メリットとしては、

1) 融資期間が長い。
融資期間は、年齢やその方の信用力などにより変わります。しかし、大きな差がでるのは、「築年数」です。
新築の場合、築年数は0年(1年)ですから、購入される方にもよりますが、基本的には融資期間を最長にすることができます。しかし、中古物件の場合は、築年数に応じた期間の減少があります。

2) 入居者が付きやすく賃料が高くなりやすい
いうまでもなく、新築物件は入居者からの人気は高く、また賃料も相対的に高くなることが多くなります。

3) メンテナンスコストが抑えられる。
新築物件ですので、少なくとも10年、場合によっては20年近く、水廻り設備品は20年近くはメンテナンスは最小限で済みますし、内装などのメンテナンスは、入退去時に簡単に行う程度で済みます。
一方で築20年を超える中古ワンルームマンションを購入すると、度々メンテナンスする必要があり、出費が増えます。

区分マンション投資における新築物件と中古物件のメリット・デメリット

区分マンション投資における中古・新築それぞれのメリット示したものが右図となります。
それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、物件選びを行ってください。

中古物件メリットとは?

中古物件のメリットは、新築物件に比べて割安な事、すでに入居者が付いている物件を選べばすぐに収益を見込むことができます。
新築時の賃料は少し高く設定していることが多いく、5年もすれば、その新築プレミアムがなくなります(その分を読み込んだ、収益シュミレーションを作成してくとよいでしょう)。
しかし、中古物件は相場の賃料になっていますので、見込み違いがなく利回り計算に現実味があります。

中古物件のデメリット

投資用区分マンションのデメリットは、先に書いた新築物件の裏返しです。
1) 融資期間が短くなる可能性がある。
2) メンテナンス・リフォームコストがかかる。
これらに加えて、築年数が古い場合、立地条件が良ければ問題ありませんが、一般的には賃料下落確率が高くなります。

流通量の違いと新築物件の情報の先取り

一般的に中古物件の流通量の方が多いため、比較検討しやすくなります。あの地域で投資用のマンションを購入したいと、エリアを定めて投資物件を探している場合、タイミングが合えば、新築物件に巡り合いますが、なかなかそう上手くいきません。中古物件の方が、可能性があります。

また、新築物件の販売情報をいち早くデベロッパーから聞くことができれば、有利に物件選びを行うことができます。
本サイト等を活用して、情報をいち早くキャッチするようにされるといいでしょう。

不動産エコノミスト
一般社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職. 不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。