賃貸住宅のキャップレートが東京や横浜はもちろん、全国的に過去最低水準が続いています。
キャップレートとは「不動産投資における利回りの指標」の一つで、投資家の「期待利回り」のことを指します。
キャップレートが下がっている状況は、投資対象となる不動産価格の上昇期ということになります。
ここでは、日本不動産研究所が調査・分析・公表している「不動産投資家調査」より賃貸住宅のキャップレートの長期推移を見てみましょう。
賃貸住宅の期待利回り(CAPレート)の長期推移
((一財)日本不動産研究所「不動産投資家調査」より作成)
上のグラフは、2006年から24年までの全国の賃貸住宅(ワンルームタイプ)キャップレートの推移を示しています(本調査は年2回実施:19年間×2回=38回分のデータ)。
これをみれば、リーマンショックで大きく上昇(不動産価格は下落基調)し、その後ジワジワと低下(不動産市況が好転)しているなど、傾向としては、全国的に同じようになっています。
しかし、長期的に見れば、リーマンショック前後での変化がわかります。とくに、リーマンショック後は、東京の強さが目立つようになってきました。
具体的には①東京のキャップレートはいち早く回復 ②リーマンショック前に比べて、他地域とのキャップレートの差が広がっている ことが分かります。
そして、その勢いは、周辺の川崎市や横浜市などに広がっています。さらに現在は東京都区内での新規供給が少なくなっていることも、こうした動きに拍車をかけているものと思われます。