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【2024年6月】東京都の土地価格はどれくらい上昇しているのか?

新築マンションや中古マンションの平均価格が史上最高値を付けていることは多くの方がご存知のことと思います。
また、投資用マンションの市況の目安であるキャップレートにおいても、史上最低水準つまり理論価格は史上最高水準となっています。
最も住宅市況を反映しやすい実需用の中古マンション価格をみれば、2012年後半ごろから価格上昇のキザシが見えはじめ、異次元金融緩和政策が進められた2013年頃から一貫して(コロナ禍の20年4~8月を除く)上昇しこの10年で2倍近くとなっています。特に、22年後半からの価格上昇は顕著となっています。

新築マンション価格(坪単価)の上昇は、市況だけでなく、製造原価にあたる土地価格と建築工事費の上昇も大きな原因であることは間違いありません。
では、土地の価格も同じように上昇しているのでしょうか? 地価公示や基準地価などでは、都市部だけでなく地方圏でも大きく上昇していると言われていますが、実際の土地取引価格の状況を、ここでは見てみましょう。

東京都の土地成約状況<100㎡~200㎡>


グラフは、2011年から24年4月までの東京都の土地取引の成約件数と成約単他の推移を示しています。
成約単価は2年までは、ジワジワと僅かずつ上昇している状況でしたが、21年半ばくらいから大きく上昇していることが分かります。

また、取引件数は、年により大きくブレはありましたが、それほど目立つ傾向はありませんでした。
しかし、22年を境に流通量が減少トレンドにあることが分かります。土地の売出し物件が減少している中で、多くの業者や個人が土地を求めるという構図、つまり需要>供給という状況のため、土地価格の上昇が顕著になっているものと思われます。