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【2023年12月】海外投資家から見た日本不動産の今

新築・中古マンション価格とにも年収の14倍越え。買いにくさが増す東京都のマンション

今回は、まずオフィス市況について見ていきましょう。

図表1:オフィスビルの空室率の推移(東京5区平均)


(三鬼商事株式会社「オフィスマーケットデータ」より作成)

オフィスビルの空室率はコロナ禍前は過去最低を更新し続け、好調が続いていましたが、その後コロナ不況やテレワークの浸透などで、空室率は急上昇しました。
しかし、2021年以降は横ばいの状況が続いています。しかし、一般的に好不況の目安と言われている5%を33ヶ月連続で上回っており都心オフィス空室率は10年ぶり高水準となっています。

海外と比較すると、オフィスビルより割安感があるマンション価格

図表2:各都市の価格・賃料水準の都市間比較


(日本不動産研究所 第 21 回 国際不動産価格賃料指数(2023 年 10 月現在)より作成)

次に、日本不動産研究所より発表された「国際不動産価格賃料指数」ともとに、海外都市との比較を見ていきましょう。
上のグラフは、東京を100とした際の、各都市の「価格」と「賃料」を表したグラフです。

マンション価格は、北京や上海は東京よりも高いのにもかかわらず、賃料指数は低くなっています。つまり、東京の不動産は割安感があります。
一方で、オフィスビルは、マンションほどの割安感が数値では表れていません。とはいえ、日本自体は、経済大国であり政治的リスクも低いため、海外投資家からの投資熱は高い状態が続いています。
昨今では、円安の影響を受けてさらにその傾向が進んでいます。先に見たように、オフィス市況は昨今は低迷が続いています。
不動産投資の対象がオフィスからレジデンスに移るようなことがあれば、ますます住宅価格が上昇していく可能性も考えられます。