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【2022年2月】コロナ禍と不動産投資市況

コロナ禍でも不動産投資熱は旺盛

キャップレートは、不動産投資を行う際に投資家が期待する利回りです。賃料やそのほかの要因が一定だとすると、キャップレートの低下は不動産価格の上昇を意味します。
賃料は市況に左右されますが、短期間ではそれほど大きく変動しません(賃料の粘着性・遅効性と言います)。
そのため、キャップレートの低下は(多くの場合)価格上昇を意味します。

こうした状況は、「価格が上昇でも、不動産投資を行いたいと思う方が増える傾向にある」ということになります。

図表1:賃貸住宅(1棟)キャプ―レートの推移(単位:%)


(一財)日本不動産研究所「不動産投資家調査」より作成

上のグラフは、日本不動産研究所が行う「不動産投資家調査」の結果です。
2021年11月25日に公表された最新のキャップレートでは賃貸住宅(1棟:ワンルームタイプ)のキャップレートは東京(城南エリア)では4.0%と3都市全て半年前の前回調査よりも0.2ポイント下げました。
コロナ禍でもワンルームタイプの賃貸住宅への投資熱は旺盛であることが分かります。

金利上昇の兆しでどうなる?キャップレート

図表2:ワンルームキャップレートと金利の推移


(一財)日本不動産研究所「不動産投資家調査」、財務省資料より作成

現在、アメリカやヨーロッパの中央銀行で利上げの動きが本格化してきています。
日本でも、長期金利の代表的な指標となる10年物国債の利回りが年明けから上昇しています。
金利が上昇すると、1棟不動産の場合、金額が大きいのでわずかな金利の上昇でも総支払額に影響を与えます。
実際に、近年キャップレート減少の背景には、金利の低下も大きく後押ししています。

確かに金利は上昇していますが、これまでの金利がかなりの低水準でしたので、長期推移でみてもまだ低い水準と言えます。
とはいえ、欧米では金利の上昇が進みつつありますので、いつ日本も金利が急上昇するかどうか分かりません。金利が上昇する前に、行動に移した方がいいと言えるでしょう。