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【2021年11月】不動産投資で気になる「滞納リスク」

首都圏では24戸に1戸で滞納?賃貸住宅の滞納率

不動産投資に際して、家賃が安定的に入ってくるかというのは最も重要な事柄といっても過言ではありません。
家賃が安定的に入ってくるとは、「空室がない」という点だけではなく、「入居者の家賃滞納がない」という状態を言います。

家賃を滞納されると、その分の家賃収入が減ってしまいます。また滞納が何ヶ月も続けば、想定した利回りが実現しないばかりか、ローン返済計画にも影響してきます。
また、会計上は、滞納された家賃部分に対しても税金の支払いが発生します。
つまり、実際には入金されていなくても、課税対象になってしまうのです。

家賃滞納は、オーナーにとって悩ましい問題です。では、実際に家賃滞納はどれくらい発生しているのでしょうか?

図表1:滞納率(2020年度下期)


(出典)公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「日管協短観」

日本賃貸住宅管理協会が賃貸住宅管理会社を対象に行っている「賃貸住宅市場景況感調査2020年下期」(2020年10月~2021年3月)によると、全国の月初全体の滞納率の平均は5.0%、首都圏は4.1%、関西圏は8.2%でした。
首都圏で4.1%と言えば、約24戸に1戸の割合で滞納が発生している状況といえます。

ただ、これはあくまでも月初の状況であり、引き落とし口座の残高不足や払い忘れなどといった理由が多いと考えられます。
オーナーや管理会社がその旨を伝えたら支払ってもらえるケースが多いと見られ、実際に、月末での1カ月滞納率は1.6%にまでぐっと割合が下がっています。
そして、月末での2ヶ月以上滞納率では、0.8%と約125戸に1戸の割合となっています。

経済状況の悪化と滞納率の関係

図表2:月末での2ヵ月以上滞納率(首都圏)

データ公表された2008年下期からの滞納率(月末時点2か月)の推移です。2008年下期の滞納率がかなり高いのが分かります。
2008年下期(10月~3月)というと、リーマンショックが2008年9月に起きた直後の期間となります。
経済が悪化し、失業や給与の削減などで家賃の支払いが厳しくなった人が滞納してしまった可能性が高いと思われます。

ただ、リーマンショック程の経済状況であっても滞納率が4.3%、つまり約23戸に1戸でしたので、滞納リスクに対して心配し過ぎることも取りこし苦労と言えるかもしれません。
また、2020年3月頃より日本でも感染が拡大し始めた新型コロナウィルスによって、景気も大きく影響を受けましたが、2020年下期時点では、滞納率では大きな影響を受けていないようです。
とはいえ、家賃滞納が発生すると、冒頭にも伝えたようなさまざまな影響が出てきます。
入居審査や滞納への対応など、委託する賃貸管理会社を選ぶ際は必ず確認しておくようにしましょう。