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【2021年1月】需給タイトが見られる東京都中古マンション市場

2020年東京都中古マンション 件数が減少するも価格は上昇

図表1:東京都中古マンション成約状況

件数(件) ㎡単価(万円) 価格(万円)
東京都 18,654 73.33 4,512
-6.8 3.8 5.4
うち23区 15,087 81.67 4,889
-7.2 3.6 5.3

(東日本レインズ)

先日、東日本レインズより、「2020年首都圏不動産流通市場の動向」が発表され、2020年における首都圏中古マンションの成約件数は35,825件(前年比6.0%減)で、2年ぶりに前年を下回りました。地域別に見ても、すべての都県・地域で前年を下回っています。

東京都で見ると、成約件数は前年比ー6.8%の18,654件でしたが、成約価格は前年を上回りました。コロナショックで、成約件数が減ったものの、価格はつられて下落することはなく、高水準をキープしている模様です。成約件数を需要と見立てた場合、成約件数が減る、つまり、需要が減るということは、需給バランスが崩れ価格が下落する方向に圧力がかかります。しかし、そうはなっていません。どのような背景があるのでしょうか?

供給量の減少傾向が顕著

図表2:東京都中古マンション新規登録件数・在庫件数の推移

新規登録件数、在庫件数は減少を続けています。コロナの影響もあり内見を控えたり、世の中の情勢を不安視したりして、オーナーが売り控えていることが考えられます。

図表3:件数倍率(12カ月移動平均)

図表4:価格乖離率(12カ月移動平均)

もう少し細かく見ていきましょう。図表3は新規、在庫が成約件数の何倍になるかを示したグラフで、倍率が小さくなるほど、需給関係がタイトであることを示します。
例えば、2020年4月は17.3件の在庫に対し1件成約していましたが、12月は15.7件に1件成約しています。成約率が伸びていると言えます。

図表4は価格から需給関係を計るもので、成約価格からのどれくらい新規登録価格や在庫価格が乖離しているかを表しています。
0%が成約価格と考えると、0%に近づくほど需給関係がタイトであると言えます。

両方のグラフを見ても、需給関係がタイトであると考えられます。
コロナショックで売り手が売却を断念したり先延ばししたりすることで、供給量が減ることで、需要が若干下がっても価格が下落せずキープしているというわけです。