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【2020年9月】日経平均株価と不動産価格指数の関係性

日経平均株価に少し遅れて不動産価格が反応

図表1:日経平均株価と不動産価格指数(区分マンション・全国)の推移

(出典:日本経済新聞社,国土交通省 以下同様)

図表2:日経平均株価と不動産価格指数(区分マンション・全国)時差相関

図表1は日経平均株価と不動産価格指数(区分マンション)(※以下マンション価格指数)の全国値の推移を表したものです。
そして、不動産価格指数が公表された2008年4月からの相関をとった結果が図表2です。同時期で相関係数を算出しても0.928と非常に相関関係が強いのが分かります。
更に日経平均株価を先行指標として1か月ずつずらして相関係数を算出すると、大体3か月から4カ月頃でピークを迎えるようです。
半年以降でも、同時期よりも若干高い相関係数となっているため、日経平均株価の動向が少し遅れて不動産価格に影響を与えているのが分かります。

リーマンショックの時はどうだった?

図表3:日経平均株価と不動産価格指数(区分マンション・全国)の推移

図表4:日経平均株価と不動産価格指数(区分マンション・全国)前月との差

リーマンショックの発端、アメリカの大手証券会社リーマン・ブラザーズが経営破綻したのは2008年9月15日。翌月、日本においても日経平均株価は10,000円を割り、10月28日には一時は6,000円台まで下落しました。
前月との終値の差2600円と大きく下落した10月から遅れること3か月後、マンション価格指数も大きく下落しました。

戸建はマンション価格ほど相関性がない

最後に興味深い分析として、マンションと戸建の比較をあげたいと思います。
下の表は日経平均株価と戸建・マンションをそれぞれエリア別で相関係数を算出した結果です。

マンションはどのエリアでも日経平均と一定の相関関係が見られましたが、戸建に関しては東京だけが相関の傾向が見られ、東京以外は相関性が低いことが分かりました。
東京都の戸建においては、価格が地価に大きく影響を受けている結果だと考えられます。