工事予定費は上昇傾向にあるも、上昇は鈍化
図表1:1㎡あたりの工事予定額の推移(全国・総計)
(国土交通省「建築着工統計調査」より作成)
国土交通省が発表する住宅着工戸数では、工事予定費も公表されています。図表1は工事予定費を着工総面積で除した金額、つまり1㎡当たりの建築工事予定費の推移です。
近年は、上昇傾向にあります。なお、工事予定額はあくまでも予定額であって、工事が完成するまでに実際に要した工事費ではありません。
このため、工事実施額を推計するために実地調査も併せて行われており、補正率として毎年公表されています。ちなみに、2018年では木造で103%、非木造で104%でした。
工事予定費単価が高い都道府県は、ダントツで東京都
図表2:都道府県別 1㎡あたりの工事予定額(万円/㎡)
図表3:都道府県別 東京都を100とした時の工事予定費(木造・鉄筋コンクリ―ト造)
図表2は都道府県別で工事予定額(万円/㎡)を比較した結果です。東京都が際立って工事予定費が高いのが分かります。
次いで、沖縄県(20.8万円/㎡)、神奈川県(20.1万円/㎡)と続き、最も低いのは宮崎県(17.1万円/㎡)でした。
図表3は、構造ごとに都道府県別の工事予定額を比較したものです。東京都を基準としてみると、木造では東京都よりも工事予定費が高い都道府県もありました。
一方、鉄筋コンクリートは都道府県によってバラツキが大きいのが分かります。
木造は住宅に使われる傾向がある一方、鉄筋コンクリートなどは小さめのマンションから都心のオフィスビルまで用途や造りが様々なので、バラツキが大きいと考えられます。