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【2020年3月】マーケット全体でとらえるのは危険?築年数ごとの中古マンション成約事情

首都圏中古マンション成約価格 
全体では140%上昇も、110%の上昇に留まる築年数も

図表1:築年数別 首都圏中古マンション成約㎡単価の推移

中古マンションの価格が2013年から上昇が鮮明になっているのは既知の事実ですが、実は築年数別でみると、状況はそれそれで変わってきます。
2012年から2019年にかけて成約㎡単価が最も上昇したのは175.9%増の築16年から20年の層。
この層は2010年頃までは、築21年以上の物件と同水準の価格でしたが、大きく抜きんでた状況です。
一方で、築26年から30年は110.4%増と、それほど上昇していないようです。

(公益財団法人東日本不動産流通機構資料より作成。以下同じ。)

成約率は二極化が進んでいる

図表2:築年数別 首都圏中古マンション対新規登録成約率(%)の推移

次に「対新規登録成約率」(成約件数/新規登録件数)を見てみます。
価格上昇が鮮明になり始めた2013年までは、比較的成約率はどの築年数でも同じようなトレンドを見せていましたが、それ以降は、築年数ごとに異なる変化が見られました。
中でも、築20年まではこの期間の全体の平均値20%を上回っており、特に最近では築6~10年が動きがいいようです。
新築物件の価格が高騰する中で、中古マンションへターゲットを変更するケースが増えていることが一つの要因として考えられます。

築5年以内は新規登録と成約での価格差が拡大

図表3:築年数別 首都圏中古マンション新規登録㎡単価ー成約㎡単価の推移

最後に、新規登録㎡単価と成約㎡単価の差の推移を見てみます。
近年築0~5年の差が大きく、2019年では価格差が㎡単価で20万円とかなり開きがあるようです。
一方で、築6年~20年までの物件では、新規登録価格と成約価格の差が小さくバランスが保てているようです。
このことは、図表2で見たように築6年~20年までの物件の成約率が上昇している一因と考えられるのではないでしょうか。