平成27年11月に内閣府政府広報室が発表した「『住生活に関する世論調査』の概要」では、「住宅および住宅の立地・周辺環境に関して、どのようなことを最も重視するか?」という質問に対して、「立地の利便性(※1)」が46.5%、「立地の安全性(※2)」が14.6%、「立地の快適性(※3)」が8.0%という結果となっています。
実に69.1%の人が「立地」に関することを重視していることがわかります。
住宅、立地・周辺環境で最も重視すること
(内閣府政府広報室「住生活に関する世論調査」)
当コラムでは、いくつかのエリアをピックアップして、この立地に関してのデータを調べ、どこのエリアが魅力的かを独断で判断して紹介していきます。
今回は、神奈川県川崎市の川崎駅エリア、特に西口と東口を比較しながら、一人暮らしに最適なエリアを決めていきたいと思います。
そもそも川崎駅はどんなエリア?
川崎市の人口(令和2年1月1日現在)
神奈川県の住民基本台帳を見てみると、川崎市の人口は1,514,299人、神奈川県では横浜市に次ぐ人口の多い都市です。
川崎駅東口エリアである川崎区の人口は234,888人で、川崎市のなかでは人口の多い区ですが、川崎駅西口エリアである幸区は171,345人で川崎市の中では一番人口が少ない区となっています。
(参照元:神奈川県ホームページ)
ハザードマップから見る川崎区、幸区
川崎市の川崎区と幸区のハザードマップを見てみましょう。
参照元:
洪水ハザードマップ(川崎区)
洪水ハザードマップ(幸区)
洪水ハザードマップを見ると、駅付近では、河川の氾濫が発生した場合に、標準的な木造家屋の流出・倒壊等の危険差異がある区域の目安となる「家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)」に指定されています。ただ、これらのエリアにおいて過去に浸水の被害はありません。
こうした状況を鑑みて、少量の浸水でも 被害が大きくなる可能性があるため、重点化地区に指定されています。重点化地区では 雨水幹線や雨水貯留管などの整備をグレードアップしたかたちで浸水対策事業を推進し、床上浸水とならない対策を進めています。 現在、内水対策として国、都、県、市区が連携し取組を行っています。
川崎エリアの印象
昔から川崎は“ガラが悪い”というイメージが定着しているようですが、本当にそうなのかちょっと調べてみました。
神奈川県警察の発表(参照元:https://www.police.pref.kanagawa.jp/tokei/hanzai_tokei/mesc0027.html)の2023年1~11月累月暫定値の発表を見ると、刑法犯認知件数の発生頻度は、川崎市7つの区のなかでは川崎区が一番多く、幸区は5番目となっています。
また、2017年と2022年の刑法犯認知件数を比較してみると以下のようになっています。
エリア | 2017年 | 2022年 |
川崎市全体 | 8,376件 | 5,840件 |
神戸市 ※参考 | ― | 10,618件 |
川崎区 | 2,225件 | 1,923件 |
幸区 | 1,067件 | 663件 |
神戸市は2023年現在1,508,208人と川崎市とほぼ同じ人口を誇る都市です。
2都市を比べてみると、川崎市の犯罪率がかなり低いことが分かります。
また、2017年度から比較すると近年認知件数が減っていることも明らかです。特に幸区は4割以上減少しており、治安の著しい改善が見られます。
また、川崎市は、戦後、「労働者の街」や「工場の街」としてのイメージが強くあり、同時にホームレスの姿も数多く見られました。
しかし、最近、川崎で、ホームレスの姿はだんだんと見られなくなっています。
これは、川崎市ホームレス自立支援実施計画が進められ、川崎市の自立支援センターが、「生活づくり支援ホーム」と呼ばれる支援施設に入るようお願いし、実際に多くのホームレスがそこに入所しているからです。川崎市のホームレス支援は他都市と比べて手厚いことで実際の成果がでているようです。
こうしたことから、川崎エリアの治安は、昔の“ガラの悪い”イメージから大きく変化しているといえるでしょう。
各エリアの紹介
それでは川崎の西口と東口を紹介します。実際に行ってみると同じ川崎でも大きく違っていました。
川崎駅は、東海道線と南武線、京浜東北線の3路線が乗り入れるJR東日本の駅です。
また、JR東日本の川崎駅から歩いて4分ほどで京急川崎駅があります。
川崎駅から品川駅までは8分、横浜駅までは8分、東京駅までは18分、京急川崎駅から京急本線を使えば羽田空港第3ターミナル駅までは8分で行ける大変利便性の高い駅です。
駅の改札を出ると、中央東口と中央西口の出口があり、西口側が川崎市の幸区、東口が川崎区となります。
【川崎駅西口エリア】
まず、中央西口側に向かっていくと、西口最大の特徴であるラゾーナ川崎プラザの入り口が見えてきます。
ラゾーナ川崎プラザは2006年9月に、JR川崎駅西口前の再開発地区「ラゾーナ川崎」に立てられたショッピングモールです。
川崎駅に直結しているT字型に建設された地上5階建ての建物は、アパレル、家電、キッズ用品、コスメ、食品、レストラン、映画館など、ありとあらゆるお店が並んでいて、多目的ホール「ラゾーナ川崎プラザソル」では、演劇や有料ライブ、格闘技などのイベントが開かれています。
ラゾーナ以外にも、2021年に開業したKAWASAKI DELTAやミューザ川崎といった大規模商業施設やオフィス、音楽ホールなどの施設などが多数存在するエリアです。
ラゾーナ川崎プラザを離れると隣にタワーマンションが見えます。
駅から少し歩くと中層階建てのマンションがいくつも立ち並んでいるのがわかります。
近くには、神社があり、その奥には閑静な住宅街が広がります。
幸区には、そのほかにも多摩川や加瀬山の森などの自然もあり、市内唯一の動物園である夢見ヶ崎動物公園は幸区のもっとも大きな魅力のひとつとなっています。
また、くつろぎの場所として存在する御幸公園は、梅の名所として有名で、現在では、梅を復活させる市の事業である「御幸公園梅香事業」が展開されています。
【川崎駅東口エリア】
東口に向かって歩いていくと、まずアトレが目に入ります。
駅を出て右側にはヨドバシカメラと川崎日航ホテルが重厚なたたずまいを見せています。
駅を出て左手にはオフィス街があり高層ビルがいくつかそびえたっています。
東口を出てまっすぐ伸びていている37番街(駅前大通り商店街)。スクランブル交差点を越えると懐かしい街並みが広がります。
少し歩くと左右にアーケード商店街である「銀座街」など、いくつもの商店街があります。
商店街には、コンビニ、飲食店、日用品店、総菜屋、スーパー、ペットショップ、洋品店、カラオケボックス、パチンコ店、居酒屋など、ありとあらゆるお店が並んでいて、ショッピングには最適な環境となっています。
アーケード商店街の脇道にも様々なお店が立ち並んでいます。
商店街を左に曲がって少し行くと京急川崎駅が見えてきます。ここから羽田空港(羽田空港第3ターミナル駅)までは8分ほどで行くことができます。
京急川崎駅を少し離れると昔ながらの定食屋や立ち飲み屋もあり、昭和の懐かしい風景も見られます。
そのほかにも川崎区には自然も多く、多摩川では、春になるとアユも遡上するほど水質も向上し、多くのイベントも開催されています。
また、河川敷ではスポーツ、散策、バーベキューなどを楽しむこともできます。
平成20年にオープンした東扇島東公園は、バーベキューや潮干狩りなども楽しめます。
川崎駅・東口 vs 西口を徹底比較
東口と西口、一人暮らしの観点から最適だと考えられるエリアを決めていきましょう。
立地・利便性
東口(川崎区) |
西口(幸区) |
|
カフェ・飲食店 |
★★★★★ |
★★★★★ |
日常の買い物環境 |
★★★★★ |
★★★★★ |
自然環境 |
★★★★★ |
★★★★★ |
治安の良さ |
★★★★☆ |
★★★★★ |
洪水に関する安全性 |
★★★☆☆ |
★★★☆☆ |
立地・利便性を見てみると、カフェ・飲食店、日常の買い物環境では東口エリアが便利なイメージがありますが、川崎の看板施設ともいえるラゾーナ川崎(店舗数約330・年間来場者数3,800万人超)があることを考えると西口はかなり快適に生活することができます。
自然環境は、東口、西口ともに公園などのくつろげる環境があり同等といったところでしょうか。
治安については、他都市と比較したときの刑法犯認知件数がそれほど多い数字ではないことからも分かるように、川崎市全体でもイメージほどは悪くありません。
データをもとに分析すると、特に西口エリアは川崎市内でも治安が良いエリアだといえます。
浸水に関する安全性は、洪水ハザードマップを見ると、東口、西口ともに「家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)」に指定されていますが、過去に浸水の被害はありません。
また、こうした状況から、重点化地区に指定されているため、国、都、県、市区が連携し取組を行っています。
独身者にぴったりの街「川崎駅西口」
川崎駅エリアはいかがでしたでしょうか。
同じ駅でありながら、西口、東口は全く違った顔をもったエリアだと言うことがよく分かりました。
飲食店や日常の買い物環境などの面から考えると東口エリアが便利な部分もありますが、治安の良さや住みやすさを考えるとやはり西口エリアに軍配があがります。
実際、川崎市の人口データによれば西口エリアの人口密度は東口エリアと比べ約3倍の差があるようです。閑静な住環境に加えて大きなショッピングモールも付近にあるため、非常に住みやすい地域として人気が集まっているのではないでしょうか。
一人暮らしでも快適に生活できるおすすめのスポットといえます。
皆様はどちらが気になるでしょうか。一度川崎駅を訪れてみてください。
コンシェリア KAWASAKI THE PREMIUM
川崎駅西口から徒歩5分のところに、地上14階建てのマンション「コンシェリア KAWASAKI THE PREMIUM」があります。
ラゾーナ川崎までわずか徒歩4分という好立地にあり、快適に暮らすには最適のロケーションです。大規模なショッピングモールはもちろんコンビニやスーパー、飲食店も揃っているので単身者にもピッタリの立地です。
オートロック、防犯カメラなどのセキュリティはもちろんのこと、高級ホテルを彷彿とさせる内廊下、現代の必須設備であるWi-Fiの設置やプロジェクター付き照明など、細部にこだわった高級感溢れる住まいを提供します。便利で快適な独身生活を満喫するための設備が整ったおすすめのマンションです。