2016年1月に日銀がマイナス金利政策の導入を決定しました。
一般的に「金利」と聞くと、住宅ローンや預金の利息などを連想されることでしょう。実は国際取引や銀行間取引・企業運営・商品開発などにも影響を及ぼしています。 今回は、金利がなぜ変動するのかについてお届けします。
国内の景気による変動
ニュースを見ていると「好景気」「不景気」といった言葉をよく目にします。
国内景気が良くなると、モノがよく売れるようになります。そうすると企業は、さらに原材料の購入量を増やしたり、積極的に設備投資を行ったりします。
企業は資金を必要とするため、お金の需要が高まります。そして金利は上がっていく傾向にあります。お金を求める需要が増えてくると、保管しているお金の量が減ることもあって取引に対する使用料は高くなるのです。
国内の物価による変動
物価とは、モノの値段だけではなくサービスの価格も指します。
物価が上昇するのは一般的に経済活動が活発に行われている時で、物価が下落するのは停滞している時です。物価が上昇する局面では、いち早くモノを購入したり、サービスを利用したりするためにお金の需要が高まり、金利が上昇することにつながるのです。
また、物価が上がると言うことは、お金の価値が下がることになるため、日銀が利上げを行う場合もあります。
外国為替(為替レート)による変動
外国為替の影響で金利が変動することがあります。例えば、円安になると輸入価格が上昇します。
それに応じて国内の物価も上昇するので、金利が上がるのです。反対に円高になった場合には「輸入価格が低下⇒国内物価が低下⇒金利が低下」と言う流れになります。
海外の金利に合わせる動き
日本の金利の動きは、アメリカやドイツといった主要国の金利と似たような動きをすることがあります。
例えば、アメリカに金利が上昇する傾向があれば、日本の金利も上がる傾向にあります。
これは海外の金利が上がることで国債等が売られ、利回り(金利)が上がるからです。また海外の金利が上がると、日本でお金を借りるようになり、お金の需要が高まり、金利が上がることも考えられます。
ちなみに原油価格の上昇により、インフレ(物価上昇)が懸念され、各国の金利が上昇すると言うケースもあるのでご参考ください。
株価による変動
株価が影響して、金利が上下に変動することもあります。
株価が上昇すると、債券市場から株式市場へとお金が流れる動きが見られ、そうなると債券の価格は下がります。債券価格が下がると利回り(金利)は上昇するのです。また株価が上昇すると、好景気への期待が強まるため、国内景気の上昇と同様に金利も上がっていく傾向にあります。
日銀などの金融政策による変動
日銀は、物価の安定を目的とした金融政策を行います。
例えば、物価の下落(デフレ)が見られると、経済活動の活発化を目指した政策を行います。
具体的には、金融緩和つまりは人為的に金利を引き下げて世の中に出回るお金の量を増やし、企業や一般銀行がお金を借りやすくしたり、投資や消費にお金が回る様にしたりするのです。反対に物価が上がっている時には、物価の上昇を抑制するために金利を引き上げて出回るお金の量を減らします。
以上が、一般的な金利の変動の要因です。
なかでも、金融政策による金利の変動は、経済のこれからを動かすハンドルのようなものです。
景気を加速させるために金利を引き下げ、反対に景気を抑制するために金利を引き上げることで経済の安定を保ちます。 不動産の購入において、金利は「第2の価格」と呼ばれるほど重要な要素です。金利の引き下げは、不動産市場への追い風となり、後の不動産価格の上昇を予測させると言う人もいます。
現在の「マイナス金利」は、もしかしたら不動産投資を始める人にとって絶好のチャンスなのかもしれません。ぜひ、これをキッカケに不動産投資をご検討してみてはいかがでしょうか。