「住宅・土地統計」の速報版が公表され最新の空き家数などが公表されました。本調査による空き家は、①賃貸住宅の空き家(=空室)、②売却用住宅の空き家(=未売却物件)、③2次的住宅(別荘や仮眠所など)、④「賃貸・売却及び2次的住宅を除く空き家」(つまり長期不在の空き家)の4つに分類されます。
一般的な空き家のイメージである「誰も住んでおらず、使われておらず、放置されている」ものは④に該当します。
以下ここでは、「狭義の空き家」と呼ぶことにします。メディアが大きく報じる空き家数や空き家率は、①~④の合計値ですが、本来の「空き家問題」と言われるのは、この「狭義の空き家」でしょう。
狭義の空き家率は、最新の調査では385万戸で5.9%、2018年調査は349万戸で5.6%、2013年調査は5.3%となっています。前回調査から37万戸増えたことになりますが、東京都の動向はどうでしょうか。
狭義の空き家率の推移<全国>
狭義の空き家率の推移<東京都>
(2つのグラフとも「総務省「住宅・土地統計調査」より作成)
全国的にみれば、「狭義の空き家」は、ジワジワと右肩上がりに増えていることがわかります。次回調査では400万戸越えは確実、6%台半ば程度まで増える可能性も見えてきました。
過疎化が進む地域で増えているようで、今後も大きな問題となるでしょう。
一方で、東京都では、狭義の空き家率は2.6%となっています。グラフを見れば分かるように、右肩上がりに増えているという状況にはなく、空き家問題は、多少改善傾向にあるということがうかがえます。
狭義の空き家率は最も低いのが東京都、次いで神奈川県となっており、古い住宅も合わせての開発が進んでいることが低い要因と考えられます。