修繕積立金は経年化で上昇、規模拡大で下落傾向
図表1: 建築年別の修繕積立金(月額・㎡単価)
(東日本レインズ「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金」より作成。以下同様。)
図表2: 規模別の修繕積立金(㎡単価)
図表1は東日本レインズを通して成約した首都圏中古マンションの築年別の平均修繕積立金の分布を示したグラフです。
築年数10年前後で、修繕積立金は平均10,000円を超えて来ています。これを㎡単価で見ると、より築年数との関係が明らかになります。
近似曲線を取ると、建築年が古くなるにつれて修繕積立金も増えていくのが分かります。
図表3は、戸数別で見た際の月額修繕積立金です。100戸以上では大差がありませんが、100戸未満だと高くなっています。
つまり、1㎡当たり修繕積立金は経年化するにつれて上昇傾向、規模が大きくなるにつれて下落傾向にあると言えます。
建築年ごとで異なる修繕積立金増額状況
図表3:建築年・調査年別 修繕積立金㎡単価
図表3は、建築年別の平均修繕積立金(㎡単価)を調査年ごとに示したものです。
あくまでも東日本レインズの成約結果を建築年別で平均化したものなので、同じ物件の定点観測というわけではありませんが、年間3.5万件超の成約物件数があり、母数としては十分と言えるのではないでしょうか。それでは早速見ていきましょう。
先に見たように経年劣化で築古の方が修繕積立金の金額は高くなる傾向にありますが、3年間での金額の変化はあまり見られませんでした。
一方で築浅の物件、例えば、2013年築の中古マンションにおいては2017年度では102円/㎡だったのに対し、2019年度調査では135円/㎡と70㎡換算で2,310円も増加しました。
同じように2003年頃にも大きな差が発生しています。
これらを築年数で考えると、データからは築5年前後、築15年前後に修繕積立金の値上がりが発生するケースが多いことが予想されます。